難病の子ども達にも外出の楽しみを~高崎市をモデルに~
子どもが患う病気の中でも、白血病や心臓病などの難病は小児慢性特定疾患として認定されています。医療費助成が受けられるという特徴がありますが、今回高崎市では全国に先駆けて難病の子ども達が出かけた際の交通費を一部助成する制度を新設すると発表しました。
小児慢性特定疾患とは
小児慢性特定疾患は厚生労働大臣の定めにより、疾病の程度や条件が細かく決められています。
具体的には、
- ・慢性に経過する疾病である
- ・生命を長期に脅かす疾病である
- ・症状や治療が長期にわたって生活の質を低下させる疾病である
- ・長期にわたって高額な医療費の負担が続く疾病である
という4つの条件に照らし合わせて小児慢性特定疾患が規定されており、白血病やネフローゼ症候群、気管支喘息や成長ホルモン分泌不全性低身長症といった様々な疾患が対象となっています。
基本的には医療費助成がメイン
一般的な疾患に比べて、小児慢性特定疾患は治療期間が長いため、そのぶん医療費負担が高額になる傾向にあります。
そうした患者家族の負担を軽減し、子ども達の健全な育成を実現するべく、小児慢性特定疾患に関しては公費にて医療費助成が行われています。
全額補助という訳ではありませんが、収入に応じて自己負担額の上限が決められているため、治療の継続を支えている制度と言えるでしょう。
病気の子ども達にも笑顔を
今回、高崎市では、医療費助成とは別に「小児慢性特定疾患の患者が家族などでテーマパークやイベントに出かけた際の交通費の一部を助成する」という制度が新設されることになりました。
というのも、同市内に小児慢性特定疾患の対象となる子どもは344人いますが、そのうち30人は自宅や病院で療養していて外出の機会が少ないという実態があったためです。
そこで、交通費を助成することにより外出のハードルを下げ、同時に、病気で苦しむ子ども達にも、楽しみと刺激を受けて笑顔になってもらおうと、年10万円を助成することを決定しました。
こうした新しい制度により、難病と闘う子ども達と家族の笑顔が増えると共に、高崎市がモデルケースとなって他の市町村にも同様の制度が広がっていくことを願います。
参考URL
『朝日新聞デジタル』
https://www.asahi.com/articles/ASMD5538SMD5UHNB003.html?iref=pc_ss_date
『小児慢性特定疾病情報センター』https://www.shouman.jp/about/principle/
- MR(医薬情報担当者):編集部スタッフ:古谷祥子