成長や発育にも影響が~口腔機能発達不全症とは~
物を食べたり、言葉を話したり、呼吸をしたりと、人間にとって「口」が果たしている役割は非常に重要です。
しかし、子どもの中には、こうした口の機能が十分に発達していない「口腔機能発達不全症」と呼ばれる病気を抱えている子がいるというのをご存知でしょうか?
そこで今回は、成長や発育にも影響を与える「口腔機能発達不全症」の概要と、自宅でもできる口腔機能のチェック方法についてご紹介します。
生命活動に必要不可欠な「口」
口腔、いわゆる口というのは、唇や歯、舌や口の天井にあたる口蓋と呼ばれる部分も含んだ器官全体のことを指します。
呼吸機能や食事を摂取するために必要な嚥下機能、他者とコミュニケーションを取るために必要な発声発語機能を果たしているため、人間にとっては無くてはならない器官と言えるでしょう。
一般的に、子ども達は成長するにつれてこうした機能を自然と身に着けていきますが、「うまく食事が呑み込めない」「話し方が不自然」「口呼吸」といった症状が気になる15歳未満の子どもは口腔機能発達不全症の可能性があると考えらています。
3つの機能の観点から状態をチェック
口腔機能発達不全症かどうかを確認するため、「食べる」「話す」「その他」の3つの機能に関する17の評価項目を定めたチェックリストが、日本歯科医学会により作成されています。
例えば、「食べる」機能ついては「歯並びの異常」や「噛む時間が長すぎる・短かすぎる」といった項目が。
「話す」機能については、「口がぽかんと開いている」「指しゃぶりをする」といったことも、口腔機能発達不全症の原因になり得るとして項目に入っています。
最終的に、噛むことに関わる項目を1つ以上含む、かつ、「食べる」「話す」の内2項目以上が該当する場合は、口腔機能発達不全症と診断され、該当項目が多いほど重症と言えます。
口腔機能は発育に関わる
命に関わる可能性は少ない病気ですが、口呼吸は虫歯やのどの病気になりやすくなりますし、噛む時間が短くて丸のみをしてしまうようだと、早食いになり肥満になる可能性が高くなります。
このように、口腔機能は子どもにとって非常に大切な、成長と発育に大きく関わるため、決して軽視することなく、原因と症状の進行に合わせた治療とリハビリを受けることが大切です。
ぜひ、お子さんのお口の状態をチェックしてみてはいかがでしょうか?
参考URL
『ヨミドクター』https://yomidr.yomiuri.co.jp/article/20200127-OYTET50037/
『日本歯科医学会』https://www.jads.jp/basic/pdf/document-200401-3.pdf
- MR(医薬情報担当者):編集部スタッフ:古谷祥子