コロナだけじゃない!子どもが感染しやすいライノウイルスに注意
コロナウイルスの感染拡大が依然として続く中、別のウイルスが密かに流行しているのをご存知でしょうか?
そこで今回は、子どもがかかりやすい新たなウイルス、ライノウイルスついてご紹介します。
ライノウイルスとは
ライノウイルスは春や秋から冬にかけてよく見られ、風邪の原因の約30%を占めると言われているウイルスです。
鼻やのどの粘膜に炎症をきたすため、鼻水やせき、軽い発熱といった症状が主症状となります。
基本的に症状が重症化することは少なく、早い期間で治るというのが特徴ですが、喘息などのアレルギー疾患を持つ子どもが感染した場合、喘息発作の原因となる可能性があるため注意が必要です。
また、まれに肺炎を合併して重症化したり、ウイルスの型が複数あるので何度も感染したりというリスクがあります。
ウイルスの検出率が例年の2倍
今回、東京大学医科学研究所は2018年1月~2020年9月までに横浜市で呼吸器症状を訴えた患者2,244名を対象に、原因となるウイルスの検出を解析。
その結果、コロナウイルス流行後は10歳未満のライノウイルスの検出率が著しく上昇し、例年の2倍以上であることがわかりました。
10未満の子どもはコロナウイルスや、2020年の冬に限ってはインフルエンザウイルスの検出率がほとんどなかったため、ライノウイルスは子ども達にとって感染リスクの高い感染症であると言えます。
アルコールでは不十分、石鹸での手洗いを
ライノウイルスに感染したことがある子どもは少ないため、免疫が不十分であることが予想されます。
子ども達を感染リスクから守るためにも対策が必要ですが、コロナ予防としてこれだけ手指消毒やマスクを徹底している中、なぜライノウイルスが流行しているのでしょうか?
実は、ライノウイルスにはアルコール消毒が効きません。
そのため、石鹸などでの手洗いが必須となります。
外出先などはアルコール消毒だけで済ませることが多いですが、ライノウイルスを予防するためには石鹸やハンドソープによる手洗いを徹底するといいでしょう。
参考URL
『東京大学医科学研究所』https://www.ims.u-tokyo.ac.jp/imsut/jp/about/press/page_00080.html
『メディカルトリビューン』https://medical-tribune.co.jp/news/2021/0316535681/
『サザンガーデンクリニック』https://www.sazan-clinic.jp/guide/infection/
- MR(医薬情報担当者):編集部スタッフ:古谷祥子