ストレスが原因!?子どもの過敏性腸症候群に気を付けて
学校で集団生活を送る子ども達にとって、「トイレ」に関する話題は非常にデリケートな問題であり、場合によっては友達にからかわれたり、イジメの原因にもなったりしてしまいます。
そんな中、過敏性腸症候群と呼ばれる病気に悩まされる子どもが増えているというのをご存知でしょうか?
そこで今回は、過敏性腸症候群の特徴と治療方法などについてご紹介します。
長引く便通異常がサイン
過敏性腸症候群(IBS)とは、お腹の不調や痛みと共に、便秘や下痢もしくは便秘と下痢を繰り返すといった便通異常が数カ月以上続く場合に考えられる病気です。
腸に炎症や腫瘍といった病気があるわけではなく、はっきりとした原因が未だわからないといと言われています。
主な症状は便通異常なので命に関わるような病気ではありませんが、頻繁に起こる腹痛や下痢、便秘に対する不安などで日常生活に支障をきたす場合もあるため、注意が必要です。
ストレスも原因の1つ
人間の脳内から分泌される副腎皮質刺激ホルモン放出因子と呼ばれる物質は、ストレスを受けると過剰に分泌され、腸管の神経系に作用して腸の運動に異常をきたします。
また、同時に痛みを感じやすくなる内臓知覚過敏も引き起こすため、ちょっとした刺激でも痛みを感じやすい状態なり、この状態が強いことが過敏性腸症候群の特徴です。
腹痛自体は排便と共に和らぎますが、原因となるストレスを軽減することが過敏性腸症候群の治療においては重要になります。
総合的な治療が必要
子どもの場合は大人では分からない部分でストレスを感じていることが多いです。
例えば、「授業中にトイレに行きたくなっても言い出せない状況が続く」といったことも十分ストレスになり、過敏性腸症候群を引き起こす可能性があります。
また、学校でトイレに行けないため、登校前に自宅で済ませようと朝トイレにこもる。そこで家族が心配をして声掛けをしたり、仮病と疑って叱ったりすることもストレスに拍車を掛けてしまい、最悪の場合は不登校にも繋がりかねません。
過敏性腸症候群を正しく治療するためには、ストレスについて本人と家族が理解をして、学校などの周囲に事情を知ってもらうことが大切だです。
実際、周囲の理解を得られることで安心し、症状が改善されるケースも少なくありません。
同時に、正常な排便習慣を回復できるよう、基礎的な生活習慣の改善や、心の問題に関しては専門医を受診するなど、過敏性腸症候群には総合的な治療が必要になります。
新学期など大きく環境が変化する時期は、特に子ども達もストレスを抱えやすい時期と言われいるため、長引くお腹の不調に気付いたら、まずは小児科を受診して相談するようにしましょう。
参考URL
『時事メディカル』https://medical.jiji.com/topics/1626
『日本消化器病学会ガイドライン』https://www.jsge.or.jp/guideline/disease/ibs.html
- MR(医薬情報担当者):編集部スタッフ:古谷祥子