のどを突く事故に注意~歯ブラシは座ってしよう~
小さな子どもにとって、「棒状の物体」は興味や好奇心をかき立ててくれる恰好のオモチャ。
手に持って振り回したり、物を叩いたりとスイッチが入ったように遊びだしますが、一方で転んだ拍子にケガをしないかが心配です。
特に、小さい子どもは物を口に入れることも多いため、転倒した際にのどを突いてしまうなんてことも。
そこで今回は、のどを突く事故の中で最も多い原因である歯ブラシについて、ケガをしてしまった際の対処法や防止策についてご紹介します。
歩き始める1~2歳児は要注意
乳歯が生え始める生後6ヵ月ごろになると、虫歯予防のために歯磨きを始めるように勧められていますが、歯ブラシによる事故は、歩き始める1~2歳の子ども達に最も多く、全体の実に75%を占めています。
まだ歩行機能が未熟であるにも関わらず、周囲への好奇心が高くて想像以上に広い範囲を歩き回ることも要因の1つでしょう。
しかしながら、意外にもケガをする場所として最も多いのが、普段歩き慣れているであろうリビングや子どもの部屋。
親御さんが夕食後の家事に追われて目を離した瞬間に事故に合ってしまうというケースが目立ちます。
また、1~2歳というと、まだ自分で事故の詳細を説明できないため、どんな状況でどの程度の傷があるのかなどを把握出来ないという点も怖いところです。
ケガ後の発熱は受診のサイン
喉の奥は目で確認しづらい部分であるため、たとえ歯ブラシが刺さっても出血が少なければ大丈夫と思われがちです。
しかし、実は突いた場所によっては血管や神経など体の大切な部分を損傷して炎症を引き起こす場合があります。
また、口の中というのは、意外にも雑菌が多く潜んでいるため、歯磨きをする歯ブラシにもたくさんの雑菌が付着しており、その歯ブラシで口腔内を傷つけてしまうと、膿が溜まったり傷口から雑菌が感染して感染症を引きこしたりすることも。
実際に、歯ブラシでケガをした後に熱が出た場合は、早めの受診が必要です。
まずは座って磨く習慣を
歯ブラシによるケガを防ぐためには、何よりもまず座って磨く習慣を身に着けることが大切です。
そう簡単にはいきませんが、まずは保護者も一緒に座って、じっくりと歯磨きの時間に付き合うことから始めるといいでしょう。
また、喉の奥まで刺さらないようにストッパーが付いていたり、先端が曲がって刺さりにくい歯ブラシを使う方法もおすすめです。
こうした対策グッズを活用しながら、虫歯だけでなく不要なケガを防げるよう、歯磨きの習慣を見直してみてはいかがでしょうか。
東京消防庁のホームページには、歯ブラシによる喉付き事故を防止するためのリーフレットが掲載されているので、こちらも参考にしてみてください。
参考URL
『ヨミドクター』https://yomidr.yomiuri.co.jp/article/20200609-OYTET50010/
『東京消防庁』
https://www.shouhiseikatu.metro.tokyo.jp/anzen/kyougikai/h28/documents/28_leaflet_pr.pdf
- MR(医薬情報担当者):編集部スタッフ:古谷祥子