コロナ対策が他の感染症にも影響!?~受診控えには注意を~
新型コロナウイルスの出現を機に、日本では「マスク・手洗い・消毒」が新しいエチケットとして確実に浸透しています。
コロナの流行が不安視される一方で、こうした感染症対策が功を奏したのか、従来夏に多くの子ども達が苦しんでいた「手足口病」が、今年は全く流行していないというのをご存知ですか?
そこで今回は、基本的な対策により防ぐことができる感染症について、改めてご紹介します。
発症率は前年の100分の1!
国立感染症研究所のデータによれば、2020年7月6日~12日の期間中に全国約3000の小児科から報告された手足口病の患者数は436人で、前年の約4万人と比べると100分の1の発症率ということになります。
もともと、手足口病の原因となるウイルスは高温多湿の環境を好むため、例年患者数は夏場にピークを迎えており、接触や飛沫を介して感染拡大をする傾向にありました。
しかし、今年はコロナウイルス対策として、子ども達も常時マスクを着用し、手洗いや消毒を徹底して行っていたことで、手足口病の感染拡大をも予防することができ、過去最低水準の患者数を実現したと言えます。
他の感染症も減少傾向
コロナの対策が功を奏しているのは、手足口病だけではありません。
子どもの発症しやすいと言われている、ウイルス性腸炎や急性気管支炎による緊急入院患者数も減少しています。
つまり、子ども達も出来るような基本的な方法であっても、徹底して継続することで色々な感染症を予防することができるのです。
コロナ対策によって他の感染症も予防できるということは非常に有益である一方、注意しておきたいこともあります。
「コロナ」ばかりに振り回されないで
感染症に対する意識が高まっていることは良いことなのですが、あまりに神経質になりすぎると、子どもの生活や遊びの範囲を制限してしまうことにもなりかねません。
子ども達の心身の発達には社会生活が必要です。
基本的な感染対策を実践した上で、なるべく通常通りの生活を意識しましょう。
また、コロナへの感染を心配して、子どもの体調が悪くても受診を控えてしまう傾向もあります。
症状が悪化してからでは治療に時間がかかったり、病気によっては後遺症などが残ってしまったりする場合もあるため、異常があれば我慢をさせずに受診するようにしましょう。
参考URL
『ヨミドクター』https://yomidr.yomiuri.co.jp/article/20200725-OYT1T50129/
『朝日新聞デジタル』https://digital.asahi.com/articles/DA3S14566163.html?pn=2
スクスクニュースの過去記事も合わせてご覧ください。
子どもたちは特に注意を!手足口病の症状と対策
https://www.suku-noppo.jp/headline/20190620- MR(医薬情報担当者):編集部スタッフ:古谷祥子