日本の子どもは睡眠不足!?~危険なサインを見逃さないで~
睡眠は、日中の疲れを取り、体や脳を整えるために必要な生活習慣です。
また、睡眠時には成長ホルモンが最も多く分泌されるため、成長期の子ども達にとっては、より一層大切な時間と言えるでしょう。
しかしながら、秋田大学の三島教授によると、日本では健康な子ども達の睡眠時間が圧倒的に少なく、世界の子どもと比べても深刻な睡眠問題を抱えているということが分かりました。
睡眠不足は他の疾患の発症リスクになる
人間の体は通常、朝起きて朝日を浴びると、体内時計がリセットされ、覚醒状態に入ります。
その後14~16時間程度経過すると、体内時計の命令により、今度は眠りを誘うホルモンであるメラトニンが分泌され、自然と体は睡眠状態に移行します。
体内で行われているこうした睡眠パターンの調節は、睡眠自体だけでなくさまざまなホルモンや自律神経系、消化、運動、脳の神経活動などの作用に関わっています。
つまり、睡眠不足などの睡眠障害は、やがて他の疾患リスクを高めることになるのです。
子どもが抱える睡眠問題
睡眠に関する問題は小児期から始まっていると言われており、実際に疫学調査によって「睡眠時間が短い小児は10年後に体重増加のリスクが高い」といった結果も報告されています。
睡眠不足の原因としては、スマートフォンの使用や長時間の勉強を強いられる世代であるということが、結果として睡眠不足に繋がっていると可能性が高いです。
また、三島教授が2008年~2010年の期間において、通常学級に在籍する2万5,211人の児童を対象に睡眠問題について調査を行ったところ、健康的な一般児童にもさまざまな睡眠問題が生じているということが明らかになりました。
具体的には、寝言や夜間多動、歯ぎしりやいびきなどによる睡眠時無呼吸症候群のような症状など。
また、「寝床に行きたがらない」「入眠儀式が必要」「起床時の不機嫌」「食欲がない」といった問題を抱える子ども達もいて、多くの保護者も頭を悩ませているようです。
睡眠不足のサインに気付いて
子どもは大人と違って睡眠不足でも「眠い」と訴えることが少ないです。
一方で、無表情が続いたり、攻撃的になる、イライラしたり落ち着きがなくなるといった症状が続く場合は、睡眠不足の可能性が高いです。
子ども達の健やかな成長のためにも、睡眠不足のサインに一早く気付いてあげる必要があると言えるでしょう。
参考URL
『メディカルトリビューン』https://medical-tribune.co.jp/news/2020/0813531242/
- MR(医薬情報担当者):編集部スタッフ:古谷祥子