授業中でもトイレに行って!~適切な知識で便秘症を防ぐ~
食事をして便意を催すというのはごく普通
の生理現象であり、健康である証拠ともいえるのですが、子どもにとってはどうしても「排便」という行為が気恥ずかしいもの。
中には、学校の授業中に便意を感じても恥ずかしくて我慢してしまい、何度も繰り返す内に便秘症になってしまうケースもあるため、決して軽んじてはいけない問題です。
そこで今回は、排便のメカニズムとその重要性についてご紹介します。
便秘になると便意センサーが鈍化する
私達の体は食事を取ると、その食べカスや水分が便としてS状結腸と横行結腸に溜まっていきます。
その後、便が直腸に移動して直腸が膨らんでいくと、便意のセンサーが機能して「トイレに行こう」という流れになります。
このセンサーが非常に鋭敏に反応してくれるので、私たちは定期的に排便することができ、健康を保つことができているのです。
しかし、トイレに行きたくなくて便意のセンサーを無視し、便意を我慢してしまうと、センサーが鈍感になっていきます。
その結果、適切に便意を伝えることができなくなり、直腸性便秘と呼ばれる病気になってしまうのです。
子どもの10人に1人は便秘症
便秘は大人や高齢者の病気というイメージが強いですが、実は子ども達の10人に1人は便秘症に悩んでいると言われています。
特になりやすい時期としては、食生活が一気に変化する離乳食開始時期、タイミングよく排便をできなくなるトイレトレーニング時期、そして、集団生活が始まり排便に恥ずかしさを感じる学童期が代表的です。
このように、子どもと便秘というのは意外と身近な問題なので、他人事と思わずにお子さんの排便状況に注意してあげることも必要でしょう。
排便の必要性を子どもに伝えて
実際に子どもが学校でトイレに行けていない場合、トイレに行くように説得したいところですが、「トイレに行くことは恥ずかしいことではない」と伝えても、子どもには逆効果になることが多いです。
そこで、「恥ずかしくない」ということよりも、「便意を我慢してしまうと、便秘になってしまうリスクがあり危険である」「便秘になるとお腹が痛くなったり他の病気になる可能性もある」といった、正しい知識を伝えることが重要。
排便の必要性を正しく伝えることで、自分からトイレに行きやすくなると言います。
気になる場合は、ぜひ一度お子さんと話し合ってみるといいでしょう。
参考URL
『時事メディカル』https://medical.jiji.com/topics/1868
『子どもの便秘』http://www.jspghan.org/constipation/files/pamphlet.pdf
- MR(医薬情報担当者):編集部スタッフ:古谷祥子