発育不良の原因に?口腔機能発達不全症をチェックしよう
口の機能の問題により、食べたり話したりすることに影響が出てしまう病気を口腔機能発達不全症と呼びます。
3年前に名前が付けられたばかりの比較的新しい病気なので、知らない方も多いかもしれませんが、口腔機能発達不全症は子どもの発育や、将来に渡って影響を与える可能性がある病気です。
そこで今回は、口腔機能発達不全症の症状や体に与える影響、そして、見つけ方についてご紹介します。
食べる機能への影響と原因
口腔機能には『食べる』と『話す』の2つの役割があり、口腔機能発達不全症を発症した場合には、この2つのことに何らかの異変が見られます。
例えば、食べるのが遅いというのは口腔機能発達不全症の代表的な症状の1つ。
お子さんが保育園や幼稚園で、いつも最後まで食べ終わらないという場合は、「食が細い」「食への関心が低い」のではなく、噛んで飲み込むという口腔機能がしっかり発達できていない可能性も。
成長していく過程で改善されるだろうと思いがちですが、噛んで飲み込むという基本的な動作が不完全だと、長期的に子どもの発育に影響を与えます。
食事が遅くて食事量が減ってしまう場合はもちろんのこと、丸飲みをすることで肥満に繋がるケースもあるため、口腔機能発達不全症は早期発見と適切な治療が非常に重要です。
口呼吸が歯並びに影響
口腔機能発達不全症のもう1つ代表的な症状が口呼吸。
鼻炎などの原因がなくても口をあけて呼吸をしてしまう場合は要注意です。
口呼吸が続くと、風邪を引きやすかったり、口を閉じておくための筋肉の発達が不十分になり、前後に細長い歯並びになってしまう可能性があります。
こうした状態が見られる場合、口腔機能発達不全症の診断がつけば、保険適応で 鼻呼吸をするための訓練治療を受けることが可能です。
歯並びは子どもの将来や外見にも大きく関係するので、早目に気付いてあげられるよう、日頃から注意しておくといいかもしれません。
高齢になっても影響大、成長曲線や食べ方などに注意を
口腔機能発達不全症は幼少期の発育や話し方、歯並びなどにも影響を与えますが、口腔機能が十分に発達しないまま成人期を過ごしてしまうと、高齢になった時に誤嚥性肺炎を引き起こすなど、さらなる問題を引き起こす可能性を秘めています。
したがって、幼少期の早期発見と治療が何よりも大切です。
まずは成長曲線から随分離れていないか、食べ方に問題はないかチェックしてみてください。
保育園や幼稚園での食事の様子を先生に聞いてみてもいいでしょう。
また、さ行、た行、な行、ら行の特定の音が省略されたり、置き換えられてしまったりしていないかなど、話す機能のチェックも大切。
そして、日頃から口をポカンと開けて口呼吸になっていないかも見ておきましょう。
気になる場合は、小児歯科専門医を受診し、診断がつけば適切な治療を保険適応で受けることができますよ。
参考URL
『ヨミドクター』https://yomidr.yomiuri.co.jp/article/20210114-OYTET50005/
スクスクニュースの過去記事も合わせてご覧ください。
成長や発育にも影響が~口腔機能発達不全症とは~
https://www.suku-noppo.jp/headline/20200208- MR(医薬情報担当者):編集部スタッフ:古谷祥子