コロナ禍のストレスで子どもの自傷行為が増加!?~現状と対策について~
コロナ禍の新しい生活様式に慣れてきた一方、感染者数の推移を見ながら未だ不安な日々を過ごしているという人も多いのではないでしょうか?
そんな中、国立成育医療センターが子ども達と親御さんを対象に行ったアンケートによれば、コロナ禍への不安やストレスが原因で自傷行為を行う子どもが増えているということが明らかになりました。
そこで今回は、子ども達とその親が抱えるコロナへの不安と心身への影響、そして、ストレスに負けないための対策についてご紹介します。
子どもの16%に自傷行為
今回の研究は、2020年11月~12月の期間において、幼児から高校生までの児童とその保護者のべ4629人を対象にインターネット上で行われました。
未就学児の場合は保護者だけ、それ以上の年齢の場合は本人と保護者の両方にアンケートを取る形で集計しています。
調査の結果によると、全子ども達の約16%に「毛髪を抜く」「自身を叩く」といった自傷行為があるということが分かりました。
自傷行為の頻度においても「ほぼ毎日」「週に数回」という回答が寄せられており、想像以上に子ども達がストレスに追い詰められていることが伺えそうです。
保護者もうつ状態に
うつ症状の有無についても、子どもと保護者の両方に調査を行ったところ、小学4年生以上では小学生15%、中学生24%、高校生30%に中等度以上のうつ症状がみられるということが分かりました。
また、不安を抱えているのは子どもだけではありません。
アンケート結果によれば、全保護者の29%以上が同じく中等度以上のうつ症状にあると評価されました。
今回の結果は対面評価ではないので、数値がそのまま実態を表しているとは言えないかもしれませんが、子どもと一緒にいることを楽しめなくなったり、子どもといる時間が増えた父親が育児ノイローゼになってしまったりなど、問題を抱えている家庭は多いようです。
子どもと保護者の両方がリラックスできる場を
親の抱えるストレスが深刻になってしまうと、虐待につながる可能性もあり、子どもにも悪影響を与えてしまいます。
したがって、親子が共にコロナのストレスから解放されてリラックスできる場所を作るということが大切です。
自治体によっては子育て中の両親専用の相談窓口を設置していたり、国立成育医療センターのホームページでは、コロナ禍における親子のストレス解消法などについてまとめたリーフレットを公開したりしています。
1人で抱え込まず上手に周囲の人間に頼りながら、親子でコロナ禍を乗り越えていきましょう。
参考URL
『時事メディカル』児童・生徒の16%に自傷行為コロナ禍ストレスか―成育医療センター調査|医療ニュース トピックス|時事メディカル|時事通信の医療ニュースサイト (jiji.com)
『国立成育医療センター』新型コロナウイルスと子どものストレスについて | 国立成育医療研究センター (ncchd.go.jp)
- MR(医薬情報担当者):編集部スタッフ:古谷祥子