子どもの近くに潜む窒息の危険~環境を見直そう~
最近見られるようになったベビー用品の中に「歯固めジュエリー」というものがあります。
赤ちゃんの歯固め用のおもちゃがネックレス状になったおしゃれなアイテムで、お母さんが首にかけて使うものなのですが、アメリカを中心にこうした玩具による赤ちゃんの窒息事故が相次いでいるようです。
そこで今回は、改めて気を付けておきたい子どもの近くに潜む窒息事故のリスクと対策についてご紹介します。
間違った使用は絶対にNG
アメリカで発生した歯固めジュエリーによる窒息事故の中には、死亡事故も含まれています。
理由としては、本来母親が首に掛けて使うべき歯固めジュエリーを、赤ちゃんの首に掛けて使用した結果、紐の部分が首にからまり窒息に至ってしまったようです。
他にも、ちぎれたり壊れたりしたジュエリーの部品を赤ちゃんが口に入れてしまった結果、息事故が起きたなど、間違った使用方法が悲しい事故を引き起こす要因になっています。
乳幼児は特に窒息リスクが高い
今回は歯固めジュエリーによる窒息事故はアメリカの事例ですが、日本国内においても残念ながら子どもの窒息事故は起こっています。
主な原因は食べ物やおもちゃなどで、日本小児呼吸器学会の報告によれば毎年50人近くの子ども達が窒息死しており、特に0~2歳児に多いです。
もちろん、生きている限り何かしらリスクはあるので、窒息事故を絶対に起こさせないというのは難しいかもしれません。
しかし、環境を見直すことで子どもの近くに潜む危険を排除してあげることは可能です。
コロナの影響で自宅内で遊ぶことが増えた今だからこそ、改めて周辺環境をチェックしてみてはいかがでしょうか?
3つの対策で子どもを守ろう
それでは、窒息事故から子どもを守るために気を付けたい3つのポイントをご紹介します。
①STマークのおもちゃを使用する
第三者検査機関による安全検査基準をクリアしたおもちゃに付けられるSTマーク。
STマークが認められているおもちゃには、万が一事故が起こった際の損害補償もついているので、そうでないおもちゃに比べて安心といえるでしょう。
②子どもの手の届く位置を把握する
子どもの手の届く範囲は、「子どもの身長+台の高さ」と言われています。
0歳の場合は立ち上がることは少ないですが、1歳児は約90cm、2歳児は110cm、3歳児は120㎝が目安です。
この距離の範囲には、子どもが口に入れてしまうと危ないものを置かないようにしましょう。
③直径4cm以下の物は誤飲の可能性あり
子どもの口の大きさは3歳児で直径約4cm程度。
つまり、これより小さいものは口の中に入って窒息の原因になり得ます。
トイレットペーパーの芯の直径とほぼ同じなので、ぜひ目安にしながら身の回りのものをチェックしてみましょう。
参考URL
『メディカルトリビューン』子供の身近に潜む危険|寄稿|連載・特集|Medical Tribune
- MR(医薬情報担当者):編集部スタッフ:古谷祥子