気になる子どもの身長~「小さい」と言わないで~
お子さんが幼稚園などに入り集団生活を始めると、「うちの子は他の子に比べて背が低い?」と気になる親御さんも多いのではないでしょうか?
そこで今回は、治療が必要なケースの子どもの低身長と、そうでないケースの対応について分かりやすくご紹介します。
約9割が遺伝だが、食事内容も重要
「両親の背が低いから、子どもも身長が伸びないのよね」といった声はよく聞かれます。
しかし、乳幼児期から食事内容を見直したりすると、成長を促すことは可能です。
逆を言えば、遺伝だからと諦めて食事の見直しをせずに生活を続けていると、小中高とそのまま身長がずっと伸びずに低身長のままということになってしまいます。
したがって、病気が原因でなければ、栄養バランスの取れた食事を心がける、必要な食事量を確保する、といったことを乳幼児期から実践することが、身長を伸ばすためには大切です。
食事量を増やしたら体重だけ増えてしまった、という事例もありますが、体重が増えてから身長が伸びるというケースもあります。
完食できるようであれば、3~4ヵ月程度様子を見てみましょう。
病気が隠れているケースも
低身長には成長ホルモンの分泌が上手くいかない内分泌疾患や、脳腫瘍といった病気が隠れている可能性もあります。
こうした病気と診断された場合は、自己注射による成長ホルモン補充療法や外科的手術などの治療が必要になるため、できるだけ早い内に専門医へ相談しましょう。
子どもへの声掛けに注意を
集団生活が始まり、同じ学年の子よりも自分の子どもの背が低いと、ついつい「うちの子は背が小さくて」といった言葉を口にしてしまいがちです。
しかし、そうした発言を聞いた子どもは、傷ついて劣等感を抱えてしまうことがあります。
特に、幼稚園などでは同じ学年といっても生まれ月が1年近く違う子もいるため、安易に主観で比べてしまうのは危険です。
明らかに伸びが足りないと感じたら、まずはかかりつけの小児科医に相談するようにしましょう。
参考URL
『日本小児内分泌学会』http://jspe.umin.jp/public/teisinchou.html
- MR(医薬情報担当者):編集部スタッフ:古谷祥子