子どものブルーライトカット眼鏡は無意味⁈
スマホなどのデジタル端末の液晶画面から発せられるブルーライトは、心身に悪影響を与えるとして問題視されており、最近ではブルーライトカット機能の付いた眼鏡をかけている子どもも少なくありません。
そんな中、日本眼科学会から、子どものブルーライトカット眼鏡の装用推奨を危惧する提言が発表されました。
そこで今回は、ブルーライトが心身に与える影響を踏まえながら、提言の内容についてご紹介します。
体内時計にも影響する
ブルーライトは目に見える光の中で最も波長が短く、エネルギーが強いという特徴があります。
そのため、拡散して目が疲れやすくなり、眼精疲労や網膜黄斑を引き起こす可能性があると指摘されていました。
他にも、寝る前にスマホなどを見てブルーライトを浴びてしまうと、体が昼だと勘違いして眠りを促すメラトニンというホルモンの分泌を抑えてしまいます。
その結果、スムーズに入眠できず寝る時間が遅くなったり、睡眠時間が短くなって朝起きれなくなったりと、体内時計にも影響してしまうのです。
恐れ過ぎる必要はない
スマホやタブレット以外にも、パソコンや電子書籍、LED照明などからもブルーライトは出ています。
今の子ども達は日常的に昼夜を問わず、屋内外どちらにおいてもブルーライトを浴びる環境下にいると言えるため、子どもの健康を考えるとブルーライトカット機能付きの眼鏡は必要と思われる親御さんが多いはずです。
しかし、今回の提言では「必要以上にブルーライトを恐れることはない」といった旨が記されています。
というのも、デジタル端末の液晶画面から発せられるブルーライトは曇天時の自然光よりも少なく、網膜に障害を生じるレベルではない、ということ。
そして、子どもにとって太陽光は心身の発達に良好な影響を与えることが証明されており、日常的にブルーライトカット機能付きの眼鏡を付けていると、太陽光の恩恵を受けることができない可能性がある、といった理由があるため、眼鏡の装用には慎重になるべきだと書かれています。
眼鏡よりもデジタル端末との付き合い方を見直して
今の時代、子どもがスマホなどを使うことは不可避であり、こうしたデジタル端末のお陰で最先端の授業を受けられたり、コミュニケーションの幅が広がったりすることも事実です。
できるだけ安全に使うためにブルーライトカット機能付きの眼鏡をかけさせようという親御さんもいるかもしれませんが、今回の提言にもあるように、その効果は確立されていません。
本当に子どもの健康を考えるのであれば、まずはデジタル端末との付き合い方を見直し、使用時間や時間帯などをお子さんと決めておくということが大切だと言えるでしょう。
参考URL
『メディカルトリビューン』https://medical-tribune.co.jp/news/2021/0415536089/
『日本眼科学会』https://www.gankaikai.or.jp/info/20210414_bluelight.pdf
『オムロン』https://www.healthcare.omron.co.jp/resource/column/topics/152.html
- MR(医薬情報担当者):編集部スタッフ:古谷祥子