コロナ禍で子どもの糖尿病が増加⁈〜ライフスタイルの変化に注意を〜
コロナ禍での子どもの運動不足や筋力低下を気にする親御さんは多いはず。
そんな中、アメリカ糖尿病学会でコロナの影響により子どもの糖尿病患者が増えているという研究結果が発表されました。
そこで今回は、糖尿病学会での研究報告と共に、子どもの糖尿病についてご紹介します。
2型糖尿病とは
生活習慣病の1つとして知られている糖尿病には2つのタイプがあります。
1つ目は、先天的に血糖値を下げるホルモンであるインスリンの分泌が悪い、もしくは分泌されない体質であるがために、高血糖状態になってしまう1型糖尿病。
インスリンの自己注射が必須とされており、先天性であるため小児期からの治療が必要です。
2つ目は、生活習慣の乱れによってインスリンの分泌が悪くなり、血糖値が下がりにくくなることで発症する2型糖尿病。
肥満や高血圧などが影響することから成人の病気とされてきましたが、最近では食生活やライフスタイル等の変化により、子どもでも発症することが多くなってきており、問題視されています。
新規発症の入院数が増加
今回の研究では、コロナ流行前の2019年3~12月と流行後の2020年3月~12月において、新たに2型糖尿病を発症して入院した19歳未満の子どもを対象にしました。
それぞれの入院率やHbA1cと呼ばれる糖尿病の検査数値などを比較したところ、コロナ流行下である2020年の入院率は2019年に比べて有意に高いという結果に。
つまり、コロナによるライフスタイルの変化によって、新たに2型糖尿病を発症し、入院にまで至る子どもの数が増えた可能性があるということが明らかになったのです。
日本の子ども達も例外ではない
アメリカと日本の子どもでは、体質や遺伝子、ライフスタイルなども異なるため一概に当てはめることはできませんが、かといって無関係とは言えません。
コロナによる自宅待機時間の増加や、部活動等の屋外活動の制限、そして、ストレスや不安による睡眠不足なども糖尿病の発症リスクになり得ます。
そして、糖尿病は一度発症してしまうと、完治が難しい病気です。
子どもの健やかな成長と未来のためにも、積極的にお子さんを運動に誘ってみたり、成長曲線などで肥満傾向をチェックしてみたりしてはいかがでしょうか。
参考URL
『メディカルトリビューン』https://medical-tribune.co.jp/news/2021/0711537265/
『日本糖尿病学会』http://www.jds.or.jp/
- MR(医薬情報担当者):編集部スタッフ:古谷祥子