まだ夜泣き?〜子どもの夜驚症とは〜
赤ちゃんの夜泣きは一般的に知られていますが、比較的大きくなってからも寝ている時に突然泣き出す子どもは意外と多いです。
実はこれ、夜驚症と呼ばれているのをご存知ですか?
今回は、実際に起こった時に焦らないためにも知っておきたい夜驚症の症状と対策についてご紹介します。
夜驚症とは
夜驚症(やきょうしょう)とは睡眠時随伴症の一種で、主に小児期にみられる睡眠障害です。症状としては、その名の通り睡眠中に突然起き上がり、驚いたように泣き叫ぶ。時には転げ回って暴れたり、歩いたりすることもあります。
通常は脳が休んでいるノンレム睡眠時に起こるため、就寝後1~2時間後に発作が出るというのが一般的です。
突然激しく怯えた様子で起き上がり泣き叫ぶので、安心させようと声掛けをする親御さんもいますが、子ども自身は完全には覚醒していない状態なので、声掛けには反応しません。
そのため、どう対処していいか分からず不安なまま様子を見ている親御さんも多いかもしれません。
しかし、実は夜驚症の発生メカニズムはまだ明らかになっておらず、発症のきっかけも生活リズムの乱れやストレス、発熱など多岐に渡るため、発症を予防することはなかなか難しいです。
ただ、夜驚症は5歳未満の子どもの約25%にみられると言われており、そのほとんどは放っておいても思春期までに自然に治ります。
したがって、過剰に心配するのではなく、見守るぐらいの姿勢で付き合っていく方がいいでしょう。
症状によっては専門医に相談を
夜驚症の症状は長くても15分程度と言われています。
初めて発症した場合はびっくりして慌ててしまう親御さんも多いですが、なだめても逆効果になるので、子どもが自然と落ち着くまで静かに見守るというのが基本的な対処法です。
もし暴れまわる場合は、怪我をしないように身の回りの物を遠ざけて安全を確保しましょう。
このように、通常は治療をする必要がない夜驚症ですが、中には毎晩のように激しく泣き叫んで親御さんも疲弊してしまうケースがあります。
そういった場合は、医師に相談して少量の睡眠薬を処方してもらって様子をみることも可能です。
また、一晩の間に何度も症状が見られたり、泣き叫ぶ頻度が高まったりした場合には、夜驚症ではなく「てんかん」の可能性もあるため注意する必要があります。
専門医を受診して、脳波の検査を行うことで診断が受けられるので、心配な場合は相談してみましょう。
参考URL
『時事メディカル』
https://medical.jiji.com/topics/2253
- MR(医薬情報担当者):編集部スタッフ:古谷祥子