停車中こそ注意を〜子ども同乗中における自転車事故の実態と対策について〜
何となく忙しない雰囲気に包まれる12月は交通事故にも注意したい時期です。特に、コロナの感染拡大後は電車やバス移動を避け、自転車を使うようになったという人が多くなったので、自転車による事故にも気を付けたいものです。
そこで今回は、改めて知っておきたい子どもと自転車に同乗する時のルールについてご紹介します。
自転車は軽車両
自転車は法律上軽車両にあたり、れっきとした道路交通法の適用対象になるため、走行に関しては様々な規定が設けられています。
例えば乗用人数は原則運転者1名のみ。ただ、幼児用座席を設置した自転車であれば、運転者が16歳以上の場合に6歳未満の1人同乗させることが可能です。
抱っこ紐を使用する場合は、おんぶであれば6歳未満の幼児を同乗させることができます。
前抱っこの状態で運転してしまい悲しい事故につながったという事例が何件もあるので、必ずおんぶの状態にして乗せるようにしましょう。
また、幼児用2人同乗用自転車の場合は6歳未満の幼児に限り、2人まで同乗させることが可能ですが、これらの細かい規定については都道府県でそれぞれ異なるため、住んでいる地域の法令を確認してみてください。
停車中の事故が多い
最近では電動アシスト電車が子育て世代に人気ですが、一方で自転車の転倒により同乗していた子どもが転落し救急搬送される事故も増加しています。
そして、意外にも子どもが関係する自転車の事故の多くは停車中に発生しているのです。
もともと電動アシスト自転車は本体の重量が重いですが、そこに子どもと大人の体重、幼児用シートにバッグや買い物袋といった荷物を乗せるとかなりの重さになるため、非常にバランスが不安定になります。
したがって、たとえわずかな時間であっても、じっとしていられない子どもだけを乗せて大人が手を離してしまうと、すぐに倒れてしまうことも。
もちろん、停車をしてスタンドを立てる時や子どもの乗り降りの時などにも注意が必要です。
正しく乗って命を守ろう
東京都消防庁の2011年から2017年の7年間の救急搬送データによると、幼児が同乗した自転車事故1227人分のうち、約8割は停車中に発生していました。また一方で、同乗する幼児がヘルメットを着用していない割合は47%、シートベルトを装着していない割合は42%と、意外にも正しい状態で子どもを自転車に乗せている割合は少ないと言えます。
どうしても送り迎えなどで時間に追われていると、ヘルメットやシートベルトを忘れてしまうこともあるかもしれません。
しかし、こうした手順は子どもを不幸な自転車事故から守るために必要なことです。
後から後悔をしないためにも、ふとした時に目や手を離してしまっていないか、ヘルメットのサイズやベルトの位置は正しいかといった自転車の乗り方と乗せ方について、改めて見直してみてはいかがでしょうか。
参考URL
『ヨミドクター』https://yomidr.yomiuri.co.jp/article/20210922-OYTET50005/
『売り場の安全.net』https://www.royal-co.net/column/shopping-children-qa/baby-bicycle-hug-string/
- MR(医薬情報担当者):編集部スタッフ:古谷祥子