アトピー性皮膚炎の正しいケア方法~新たな治療薬にも期待~
患者数の増加とともに、症状や治療方法について周知されつつあるアトピー性皮膚炎。
予防にはスキンケアが必要だと言われていますが、意外と徹底されていないというのが事実のようです。
そこで今回は、アトピー性皮膚炎の予防に効果的なスキンケアの方法と新たな治療薬の効果についてご紹介します。
乾燥による皮膚のバリア機能低下が原因に
乳児期・幼児期から発症し、寛解と再発を繰り返しながら慢性化する湿疹病変、それがアトピー性皮膚炎。
乳児の皮膚は大人の半分の厚さしかなくバリア機能が弱いため、ハウスダストなどのアレルギー源が侵入しやすいと言われています。
その結果、アトピー性皮膚炎は子どもの有病率が高く、逆に、成人に近づくにつれて抵抗力が強くなると、症状が落ち着いてくることが多いです。
皮膚の乾燥が主な原因の1つなので、アトピー性皮膚炎の発症を予防するには、新生児期からのスキンケアが重要と言えます。
予防ケアができているのは2割
ある企業が妊産婦1000人を対象に行ったアンケートによると、約8割の妊婦、6割の産婦が子どものアレルギーを心配しているのに対し、実際にアレルギー予防目的に保湿に取り組んでいる親は、2割強にとどまっていることが分かりました。
分かっているけれど、正しい方法で早い時期から取り組める親御さんは少ないのかもしれません。
正しいスキンケアで予防を
皮膚の防御機能を高めるためには、正しい洗浄と保湿が不可欠。
乳児は新陳代謝が良くて汗をかきやすいので、乳幼児用の洗剤を使って小まめに優しく洗浄しましょう。
特に、頭皮は皮脂汚れがたまりやすいので、頭皮専用のシャンプーで洗う方が良いとされています。
洗浄後は、ティッシュが貼り付くくらいにベタベタに保湿剤を塗るというのが正しい方法です。
乳児は皮脂が多いので抵抗があるかもしれませんが、しっかりと保湿力の高い保湿剤を使ってあげましょう。
新たな治療薬にも期待
どんなにスキンケアを気をつけていてもアトピー性皮膚炎を発症してしまうことはあります。
治療としては、ステロイドを始めとした塗り薬がメインになりますが、2021年9月には皮膚の炎症反応の原因となる炎症性サイトカインを抑制する効果が期待できる新たな軟膏が開発、承認されました。
アトピー性皮膚炎は子どものQOLにも大きく影響を与えるため、発症しないことが1番ではあります。
しかし、新たな薬の誕生により治療の選択肢が増えていることも覚えておきましょう。
参考URL
『メディカルトリビューン』https://medical-tribune.co.jp/news/2021/0928538888/
『大塚製薬』https://www.otsuka.co.jp/company/newsreleases/2020/20200928_1.html
- MR(医薬情報担当者):編集部スタッフ:古谷祥子