気をつけて!家庭内で起こる子どものやけど
寒くなると温かい飲み物を飲んだり、暖房器具を使ったりする機会が増えますが、そうなると怖いのがやけどです。特に子どもは大人よりも皮膚が薄いので、予想以上に重症になって傷跡が残ってしまうことも。
そこで今回は、家庭内で起きやすい子どものやけどとその対策についてご紹介します。
子どもの3人に1人はやけどを経験
子どもの皮膚は大人の半分以下の厚さしかないため、熱や乾燥といった刺激にとても弱いです。
そのため、大人なら「これくらい大丈夫かな」と思うような温度の液体や熱源であっても、皮膚には大きなダメージを与えてしまい、治療や入院が必要になるケースもあります。
家庭内でも起きやすい事故なので、子どもの3人に1人はやけどを体験すると言われるほどです。
実際、東京消防庁のデータによると、令和元年にやけどの訴えで救急搬送された1365人のうち、3割以上は4歳以下の子どもでした。
また、やけどの発生場所の7割は住宅などの居住場所で発生しており、いかに身近な事故であるかが分かります。
家庭内のやけどの50%は台所で起こる
生まれたばかりの赤ちゃんの場合は自分で動くことができないので、抱っこしている大人が熱い飲み物をこぼしたり、ミルクを熱いままで飲ませてしまうことがやけどの原因となっています。
生後7ヶ月を過ぎて自分で動き出すようになると、やけどのリスクは更に高くなり、中でもお湯を沸かしたり、火を使ったりする台所で最も発生しやすくなります。
例えば、みそ汁などの高温の液体に触れる、電気ポットのコードに引っ掛かって倒してしまい中身の液体をかぶる、炊飯器の蒸気に触れる。
こうした事例が乳幼児のやけどには多いと言います。
気をつけていても予想外の行動をするのが子どもなので、やけどのリスクがある場所にできるだけ近づかせない、そして、考えられるリスクは最初から取り除いておくという事が大切です。
広範囲のやけどは医療機関へ
家庭内での子どものやけどを未然に防ぐため、改めて以下の項目に当てはまっていないかチェックしましょう。
- ■台所に子どもが入れないような工夫(ガード等)がされているか
- ■ポットや炊飯器は子どもの手が届く場所に置いていないか
- ■子どもを抱っこしたまま調理していないか
- ■子どもが引っ張る可能性のあるクロスやマットの上に熱い汁物を置いていないか
もし、やけどをしてしまった場合は、冷たい水道水で患部をしっかり冷やしましょう。
洋服に熱湯などが掛かっている場合は脱がせずに洋服の上から水で冷やします。
そして、広範囲に火傷が広がっている場合は、セルフケアで終わらせずに医療機関を受診しましょう。
参考URL
『ヨミドクター』https://yomidr.yomiuri.co.jp/article/20220106-OYTET50005/2/
『東京消防庁』
https://www.tfd.metro.tokyo.lg.jp/lfe/topics/stop/pdf/2020_stop_04.pdf
https://www.tfd.metro.tokyo.lg.jp/lfe/topics/nichijou/kkhdata/data/02.pdf#page=15
- MR(医薬情報担当者):編集部スタッフ:古谷祥子