子どもの腹痛〜症状の違いと受診の目安〜
大人に比べて子どもの消化機能は未熟なので、細菌やウイルスに感染すると、腹痛や嘔吐、下痢といったトラブルが起こりやすいです。
一方で、身近な病気でもあるので、どの程度の症状ならば小児科を受診すべきか悩んでしまう親御さんも多いのではないでしょうか?
そこで今回は、気をつけたい子どもの腹痛と受診の目安についてご紹介します。
腹痛の原因はさまざま
お腹には食べ物を消化して栄養を吸収してくれる胃や小腸大腸といった器官以外に、有害な物質を分解する肝臓、インスリンなど体に必要なホルモンを分泌する膵臓など。更に、女の子の場合は卵巣や子宮といった大切な器官がたくさん内包されています。
したがって、腹痛自体は子どもにとってよくあることですが、『どのあたりがどのように痛むのか』によって病名や必要な処置は異なります。
しかし、子どもの場合はなかなか正確に症状を伝えることができないので、小児科医であっても腹痛の原因を特定することは簡単ではありません。
したがって、保護者がしっかりと子どもの症状を観察し、訴えを引き出してあげることが診察を受ける上で大切です。
知っておきたい受診の目安
ここからは子どもの腹痛の中でも気をつけたい症状をいくつかご紹介します。
受診の目安の参考にしてみてください。
①1日以上続く嘔吐
腹痛を引き起こす代表的な病気に胃腸炎があります。ウイルス感染などが原因となりますが、胃腸炎の場合は腹痛だけでなく下痢や嘔吐を伴うことが多いです。
下痢は数日長引くことがありますが、嘔吐は半日程度で落ち着くというのが一般的。もし、1日以上嘔吐が続く場合は、小児科を受診しましょう。
②急な腹痛
腹痛には持続的に刺すような痛みが続く「体性痛」や、周期的にお腹全体に鈍い痛みを感じる「内臓痛」などがあります。
痛みがあっても背中をさすったり、腹部を温めたり、安静にしたりすることで落ち着くなら問題ありません。
しかし、強い腹痛が急に始まった場合は注意が必要。顔色が悪くなる、痛みがどんどん増すようであれば、迷わず受診しましょう。
③すっぱい臭いの便が続く
乳児の場合、胃腸炎をきっかけに下痢が長引き、母乳やミルクに含まれる乳糖の消化不良を引き起こす「乳糖不耐症」を発症することがあります。
すっぱい臭いの便が特徴です。
下痢が2週間以上続く、血が混じる、体重減少が見られる場合は、小児科を受診するようにしましょう。
参考URL
『ヨミドクター』
https://yomidr.yomiuri.co.jp/article/20211109-OYTET50027/
https://yomidr.yomiuri.co.jp/article/20211228-OYTET50003/
https://yomidr.yomiuri.co.jp/article/20220111-OYTET50034/
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https://www.suku-noppo.jp/headline/20210201- MR(医薬情報担当者):編集部スタッフ:古谷祥子