コロナ対策で花粉症を予防!?~継続したいマスクの効果~
今や花粉症は国民病の1つと言っても過言ではないほど多くの人が苦しんでいる病気です。
子どもの罹患率も高く、さらに発症年齢も低年齢化してきています。
そんな中、コロナ対策で習慣化したマスクの効果により、子どもの新規花粉症発症率が低下したという研究結果が報告されました。
そこで今回は、子どもの花粉症症状の特徴とマスク着用の効果についてご紹介します。
花粉症の原因は人それぞれ
花粉症の正式名称は季節性アレルギー鼻炎と言います。スギやヒノキなどの植物の花粉が原因となって引き起こされるアレルギー疾患で、さらさらした透明な鼻水や連続するくしゃみ、鼻詰まりといった症状が代表的です。
体内の免疫システムにより花粉が異物と見なされ、花粉の蓄積量があるレベルに達すると発症する仕組みになっています。
アレルゲンとしてはスギやヒノキが有名ですが、イネ科のススキやブタクサ、ヨモギなども原因植物となるので、花粉症の原因は人によってさまざま。いわゆる花粉症の時期である春先だけでなく、秋や初夏頃に症状が出るケースもあるので、花粉症が疑われる場合は医療機関でアレルゲンの検査をしてもらうと対策が立てやすくなります。
発症リスクが高い場合は特に注意を
近年、花粉症の患者は低年齢化が進んでおり、早ければ0歳で花粉症と診断される赤ちゃんもいます。特に、アトピー性皮膚炎や食物アレルギーなどのアトピー素因を有するアレルギーハイリスク児の場合は、アレルギーマーチといって同じくアレルギー疾患である花粉症を発症するリスクも高くなる傾向があります。
子どもの花粉症は大人と症状が少し異なり、くしゃみよりも鼻詰まりが目立ち、目のかゆみや充血も伴うことが多いです。
鼻づまりが続くと口呼吸になって眠りが浅くなってしまったり、目の痒みで学業に集中できなかったりと子どものQOLに大きく影響を与えてしまいます。
したがって、できる限り花粉症の発症リスクを抑えるための対策をしておいた方が良いでしょう。
花粉症予防にもマスクが効果的
花粉症は目や鼻などから体内に入り込む花粉が原因となって引き起こされる病気です。
したがって、コロナ対策として習慣化しているマスクの着用は、花粉症対策としても期待されます。
実際、福井大学が県内の小学生約4万人を対象にしたアンケート調査によると、コロナ禍前後で花粉症の新規発症率を比較したところ、マスク着用率が100%だった2021年は着用率が20%であった前年に比べて新規発症率が半分以下に低下していました。
また、マスクの着用によって前年よりも症状が緩和されたと感じた子どもの割合は24.4%という結果に。
このように、マスクの着用は一定程度花粉症の発症を予防し、すでに発症していた場合でも症状の緩和に役立つということが明らかになりました。
花粉症は大人になっても完治しない病気です。
だからこそ、出来るだけ発症させない、症状を軽くしてあげるためにも、コロナで習慣化したマスク着用を今一度徹底しても良いかもしれません。
参考URL
『ヨミドクター』https://yomidr.yomiuri.co.jp/article/20220217-OYT1T50293/
『全日本病院協会』https://www.ajha.or.jp/guide/22.html
『Kyowa Kirin』https://www.kyowakirin.co.jp/kahun/sp/kids/difference.html
- MR(医薬情報担当者):編集部スタッフ:古谷祥子