子どもの脳が萎縮?マルトリートメントの影響とは
コロナ禍の自粛生活に伴い、子どもと一緒に家で過ごす時間が増えて幸せである一方、目につく事が増えて叱る機会も多くなったという人は多いのではないでしょうか。
そこで今回は、子どもの脳を萎縮させてしまうという叱り方、「マルトリートメント」についてご紹介します。
叱り方、関わり方が大切になる
マルトリートメントとは、暴行や育児放棄といった一般的な虐待だけでなく、大人が子どもにするべきではない関わり方すべてのことを指します。
身体的、心理的、性的の3つのマルトリートメントがあり、さらにはネグレクトもマルトリートメントに含まれます。
具体的なマルトリートメントの例は以下のとおりです。
- (身体的)
- ●叱るときに子どもを叩く
- ●罰として長時間正座をさせる
- (心理的)
- ●他の子と比べて叱る
- ●親の意見を押し付けて子どもを支配する
- ●「あなたはダメな子」などと言葉の暴力で子ども自身を否定する
- ●目の前で激しい夫婦喧嘩を見せる
- (性的)
- ●嫌がる子どもと無理やり一緒に入浴する
- ●親が全裸でウロウロする
- (ネグレクト)
- ●スマホなどで長時間の動画視聴、ゲームを許す
- ●親の都合で子どもを1人で留守番させる
脳が萎縮、子どもの将来に影響
マルトリートメントの最大の問題点は、子どもの脳を萎縮させ、言葉の理解や視覚的な記憶力に影響を与える可能性があるということです。
実際に、福井大学とアメリカのハーバード大学の合同研究により、身体的マルトリートメントを受けると前頭前野が、心理的マルトリートメントを受けると聴覚野や視覚野が縮んだり変形したりするということが分かっています。
さらに、マルトリートメントを受けた子どもの多くは、親との心理的な結びつきを形成できない愛着障害を引き起こし、問題行動を繰り返すなどして感情が不安定になりやすいということ。
そして、幸せホルモンであるドーパミンが脳で出にくくなっていることなども報告されています。
叱り方に注意を
子どもを育てる上で叱ることは避けては通れません。
命に関わることや人の迷惑になることをした時など、叱ることが必要な場面も多いです。
しかし、叱り方や関わり方を間違えてしまうと、マルトリートメントになってしまう可能性も。
子どもと接する時間が多くなった今だからこそ、改めて叱り方を見直し、同時に褒めることで子どもの意欲や自信を後押ししてあげるのはいかがでしょうか。
参考URL
『時事メディカル』https://medical.jiji.com/topics/2467
『防ごう!まるとり』https://marutori.jp/
- MR(医薬情報担当者):編集部スタッフ:古谷祥子