急増する子どもの肝炎~特徴を知って対策を~
現在、欧米を中心に急性肝炎を発症する子どもが急増しているのをご存知でしょうか?
日本国内でも同じような症例が報告され、厚生労働省も注意換気をしています。
そこで今回は、急性肝炎の症状や特徴と共に、家庭でできる予防策などについてご紹介します。
重要な役割をもつ肝臓
臓器の中で最も大きい肝臓には、主に3つの役割があります。
1つ目は、栄養の貯蔵と加工。
私たちが食べた物は、そのままの状態では栄養として体内に吸収することができません。
そこで、肝臓が栄養を分解・加工することで、体内に吸収しやすくすると共に、必要な時に必要な場所へ栄養を分配できるように調節しています。
2つ目は、胆汁の生成と分泌。
胆汁はタンパク質や脂肪などを分解するはたらきを持つ物質。
肝臓が胆汁を分泌することで、必要な脂肪を吸収し、コレステロールなどを体外に排出することができています。
3つ目は、有害物質の分解です。
肝臓ではアルコールや栄養を分解する上で発生した有害物質などを毒性の低い物質に変え、尿や胆汁中に排出するというはたらきがあります。
この3つの役割を肝臓が果たしてくれているお陰で、私たちの体は健康な状態を維持できているのです。
肝炎の原因はウイルス
肝臓が炎症を起こすと肝炎という病気になります。
原因はさまざまですが、ウイルスによるものが多く、発症すると吐き気や嘔吐、腹痛や食欲不振、そして、皮膚や眼球の白い部分が黄色くなる黄疸という症状が出現します。
軽快するケースも多いですが、中には慢性化して肝硬変や肝癌といった病気に進行してしまうこともあるので、急性期に適切な治療を受けることが大切です。
基本的な感染対策を徹底して
欧米の子ども達を中心に急増している急性肝炎についても、ウイルス性肝炎と同じように嘔吐や吐き気といった症状がメインです。
しかし、検査をしても肝炎ウイルスには感染しておらず、現時点では原因が不明になっています。
ただ、胃腸炎などの原因となるアデノウイルスに感染していた人が多かったので、関連がある可能性についても指摘されています。
原因が不明となると心配ではありますが、肝炎のウイルスには手洗いや食品の衛生を保つという基本的な対策が効果的です。
コロナの対策にもつながるので、まずは基本を徹底して予防に努めましょう。
参考URL
『ヨミドクター』
https://yomidr.yomiuri.co.jp/article/20220425-OYT1T50200/
- MR(医薬情報担当者):編集部スタッフ:古谷祥子