子どものマスク着用はどこまで必要!?~国の方針と考え方について~
新型コロナウイルスの流行後、新しい生活様式としてすっかり浸透したマスク。子ども達も例外ではなく、学校や園、公園などでもマスクをすることが当たり前になってしまいました。
しかし、マスクの着用については様々な意見があり、特に小さな子どもにとってはデメリットも多いため、国の方針も二転三転しているというのが現状です。
そこで今回は、子どものマスク着用に関する国の方針を整理しながら、現時点でのマスク着用の必要性についてご紹介します。
2歳未満は着用しないで
新型コロナウイルスは飛沫や接触により感染するウイルスなので、手指消毒や換気、そして、マスク着用が対策として有効と言われています。
日本国内においても、コロナが流行した当初は、年齢に関係なくマスク着用を推奨する雰囲気がありました。
その後、2歳未満の乳幼児については、マスク着用による危険があるとして、マスクをする場合は注意するようにという内容の提言が小児科学会から発表されました。
これは、2歳未満の子どもは自分の意思でマスクを着脱できず、体調不良や息苦しさを感じても周囲に訴えることが困難なため、窒息してしまう危険があるからです。
したがって、基本的に2歳未満はマスク以外の感染対策を徹底することで感染リスクから守るというのが国の方針であり、着用させる場合は必ず保護者が見守る必要があるとされています。
年齢で区切れない難しさ
2020年6月の段階では保育所を対象に、「一律に園児にマスク着用を求めない」という内容の通達が政府から発表されていましたが、その後のオミクロン株の流行に伴い、2022年2月には2歳以上の園児には従来よりも踏み込んだマスク着用の指導を求める旨の発言がありました。
しかし、子どもの発達具合や理解度には差があるため、一概に2歳以上と言われても正しくマスクを着脱できる子どもは少ないというのが事実です。
したがって、政府からの提言も二転三転し、最終的には自治体に着用の推奨を通知する形で落ち着きました。
夏場は熱中症にも注意を
未だにコロナウイルスの終息を迎えてはいませんが、2022年5月時点では、「屋外における2歳以上の園児のマスク着用推奨を取りやめる」方向で政府方針が検討されています。
これには、ワクチンの普及や治療薬の開発によって、感染者や重症患者が減少していることが背景にあると考えられています。
また、これから夏を迎えて気温が上昇すると、マスク着用による熱中症のリスクも高まるため、屋外だけでもマスクを外して遊ぶほうが安全と言えるでしょう。
このように、少しずつではありますが、子ども達を取り巻くマスク事情も変化しています。各家庭や状況によって対応は変わるかもしれませんが、子ども達が少しでものびのびと、そして、安心して生活できるように、保護者が正しい情報をチェックできるようにしておきましょう。
参考URL
『厚生労働省』
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000121431_coronanettyuu.html
『日本小児科学会』
https://www.jpeds.or.jp/modules/guidelines/index.php?content_id=117
- MR(医薬情報担当者):編集部スタッフ:古谷祥子