妊婦のワクチン接種で赤ちゃんのコロナ発症を抑制!?~妊娠中からできること~
新型コロナウイルスの流行から2年。ワクチンや治療薬の開発が進むにつれて、ようやく少しずつ感染状況が落ち着き始めています。一方で、妊娠中のワクチン接種が胎児に影響をあたえてしまわないか不安で未接種のまま、という方も少なくありません。
そんな中、ノルウェーの研究により、妊婦がコロナワクチンを接種することで、生まれてくる乳幼児の感染率を下げることができることが明らかになりました。
そこで今回は、研究結果と共に日本におけるコロナワクチン接種の現状と、子どもを感染から守るためにできることについてご紹介します。
妊娠中の接種により生後4カ月間の感染率が低下
妊娠中のワクチン接種については様々な意見があり、胎児への影響を心配して色んな病気の接種を躊躇してしまうケースも多いです。
しかし、実際には百日咳や季節性インフルエンザなど妊婦がワクチンを接種することで、胎盤を介した抗体の移行により、生まれてくる赤ちゃんにも有用な効果をもたらすことが分かっているワクチンも存在します。
今回の研究では、2021年9月から2022年2月末までに出生した2万1,643例の赤ちゃんを対象にして、妊娠中の母親のコロナワクチン接種と生後4カ月までの赤ちゃんの感染リスクについて検証しました。
その結果、ワクチンを接種した母親から生まれた赤ちゃんは未接種群にくらべて感染率が低いという結果に。
爆発的に感染が拡大したオミクロン株やデルタ株流行期においても同様で、更に、ワクチンを3回接種した群の方が、2回接種の群にくらべてオミクロン株の流行期における感染率が低いことも明らかになりました。
つまり、母親が妊娠中にコロナのワクチンを接種することで、生まれてくる赤ちゃんを感染リスクから守ることができる可能性が期待できます。
日本でも妊娠・授乳中の接種を推奨
日本では、2022年2月21日より妊婦もコロナワクチンの接種推奨の対象となっています。
他にも、今までは安全性が認められていなかった授乳中や妊娠を計画している状況の人、そして、5歳以上の子ども達も接種対象になっています。
世界中でワクチンの接種率が高まるにつれて有効性と安全性が立証され、国内外の研究によりワクチン接種の影響で死産や流産など有害事象の発生率が変化しないということが分かってきたからです。
ワクチン接種については様々な考え方があります。しかし、新しく生まれる命や子どもの健康を守るためにも、ネットなどの情報に踊らされることなく、正しい知識でもって接種の意義を今一度検討してみてはいかがでしょうか。
参考URL
『メディカルトリビューン』
https://medical-tribune.co.jp/news/2022/0628546194/
『厚生労働省』
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000121431_00218.html
https://www.mhlw.go.jp/content/000896558.pdf
https://www.cov19-vaccine.mhlw.go.jp/qa/0027.html
- MR(医薬情報担当者):編集部スタッフ:古谷祥子