気になる子どもの熱性けいれん~まずは焦らず見守って~
新型コロナの流行以降、子どもの発熱には今まで以上に気を遣うようになったという親御さんは多いのではないでしょうか?
ただでさえ子どもは高熱が出やすく、中には熱性のけいれんを引き起こす場合もあります。
そこで今回は、覚えておきたい子どもの熱性けいれんの特徴と対処のポイントについてご紹介します。
7~11%の子どもが発症する
熱性けいれんというと40度近い高熱を発症した時に、全身がガタガタと震えるようなイメージがありますが、実際には高熱に限らず38度程度の熱でも発症することがあります。
症状としては、白目をむいて全身を震わせたり、意識が消失して呼びかけに応じなくなるなどの症状が1~2分程度生じるケースが多いです。
しかし、中には半身や部分的なけいれんが15分以上続いたり、24時間以内に複数回繰り返す複雑型と呼ばれるタイプのけいれんが起こることもあります。
日本では7~11%の子どもが発症し、特に生後6ヵ月~5歳の子どもに多く見られるため、珍しい病気と思わずに発熱時には注意が必要です。
まずは冷静に対応して
目の前で我が子がけいれんしていたら、焦って抱き起こしたり、声をかけたりしたくなりますが、実際に発症したら「冷静に対応する」ことが何よりも大切です。
「後遺症が残ったりしないか」「救急車を呼んだ方がいいか」など心配になってしまうのは当然ですが、まずは以下の3つのことを意識して行動するようにしましょう。
- ●家具などに体をぶつけてケガをしないよう、安全な場所に運ぶ
- ●嘔吐物で窒息しないように横向きに寝かせる
- ●けいれんの持続時間、けいれんの様子などを観察して記録する
子ども自身の安全を確保した後は、受診時に正しくけいれんの様子を医師に伝えられるよう観察しておくことが大切です。
発作後は受診をして適切なケアを
熱性けいれんの発作後は必ず医療機関を受診し、脳炎や髄膜炎といった病気が隠れていないか診てもらいましょう。
熱性けいれん自体は子どもの脳の電気信号のやりとりが未発達のために起こると考えられているため、多くは年齢と共に自然に治ります。発作後も意識がしっかりしていて手足の麻痺などがなければ治療を必要としません。
しかし、発作後も意識がはっきりしなかったり脱水状態が続く場合は、入院することもあります。
また、まれにてんかんに移行する熱性けいれんもあるため、6歳を過ぎても発作を繰り返す場合は、精密検査を受けるようにしましょう。
参考URL
『時事メディカル』
https://medical.jiji.com/topics/2642
- MR(医薬情報担当者):編集部スタッフ:古谷祥子