今年のコロナは高熱とけいれんに注意~他の病気も見逃さないで~
コロナウイルスの出現から3年。今や感染すること自体珍しいことではなくなりました。
一方で、コロナウイルスは毎年流行する株が変わるため、現れやすい症状の傾向なども徐々に変化しています。
そこで今回は、今年コロナに感染した子ども達の症状の傾向や、家庭内で療養する際に注意したいポイントなどについてご紹介します。
発熱とけいれんが昨年の2倍
国立成育医療研究センターがデルタ株流行期(2021年8月~12月)に入院した18歳未満の患者と、オミクロン株流行期(2022年1月~3月)に入院した患者の症状を比較したところ、オミクロン株群ではデルタ株群と比べて発熱とけいれんの症状が多かったことが分かりました。
具体的には、38度以上発熱する割合が2歳~12歳の患者で約2倍、けいれんは約4~6倍にみられ、反対にデルタ株以前に多かった味覚障害などは、オミクロン株期では6歳以上で6分の1程度にとどまっています。
従来は、子どもがコロナに感染しても無症状か軽症で済むことが多いという印象がありましたが、今年に限っては高熱とけいれんを引き起こす可能性があるということを覚えておきましょう。
脱水と呼吸状態に注意を
目の前で子どもが高熱でけいれんを起こしたら焦ってしまいますが、多くは1~2分で治まります。大きな声で声をかけたり揺さぶったりすることは危険なので、嘔吐物で窒息しないように横を向かせて安全な場所に寝かせるなど、落ち着いて対応しましょう。
しかし、自宅で療養する際に注意したい症状もあります。
- 1つ目は脱水。
- トイレに行かない、オムツが濡れていないなどの様子が見られる場合は脱水症状を引き起こしている可能性があります。
- 2つ目は呼吸状態です。
- 顔色が悪く、いつもと違って苦しそうに呼吸をしている時は要注意です。
こうした症状が見られる場合は受診を、緊急性がある場合は救急車を呼ぶようにしましょう。
沖縄県のホームページでは、コロナに感染した子どもを自宅で見守る際のポイントをわかりやすくまとめています。自宅で正しくケアをしてあげるためにも参考にしてみてください。
他の病気を併発していることも
コロナの感染対策が功を奏し、例年流行していた子どもの代表的な感染症は、ここ2年程度は非常に落ち着いていました。
しかし、今年は緊急事態宣言などの行動制限がなく、学校やイベント、旅行などで人との接触が急激に増えたことを受けて、子どもの3大夏風邪と呼ばれる「手足口病」「ヘルパンギーナ」「RSウイルス」がコロナと共に大流行をしています。
中には、こうした感染症とコロナが併発するなんてことも。
高熱以外にも、「解熱後に手足に発疹が出た」「異様にのどを痛がる」といった症状があれば、他の感染症を併発している可能性があります。
病気によっては感染対策も変わるため、気になる症状がある場合は必ず小児科に相談しましょう。
参考URL
『ヨミドクター』
https://yomidr.yomiuri.co.jp/article/20220812-OYT1T50193/
『MEDIUS』
https://www.medius.co.jp/asourcenavi/hfmd/
『NHK NEWS WEB』
https://www3.nhk.or.jp/kansai-news/20220804/2000064596.html
『沖縄県』
https://www.pref.okinawa.lg.jp/site/hoken/kansen-iryou/taisei/20220502.html
- MR(医薬情報担当者):編集部スタッフ:古谷祥子