休み明けの子どもの不調〜心のSOSに気付いて〜
休み明けというのは会社や学校に行きたくないと感じる人も多いはず。
そんな気持ちになること自体は自然なのですが、中には深刻化して心身に不調を来してしまうケースもあります。
そこで今回は、長期の休み明けに起こりやすい子どもの不調と気を付けるべき症状についてご紹介します。
子どもは言葉で伝えられない
大人であっても自身のメンタル的な不調を正しく自覚し、周りの人に助けを求めるというのは難しく、ましてや心身の発達が未熟な子どもの場合は言うまでもありません。
特に幼い子どもの場合は、ストレスがどんなものか分からないため、つらさの原因を理解できず、「疲れ」という形で消化しようとします。
また、メンタルの問題を抱えてストレスが溜まっていくと、腹痛や頭痛を感じるようになる子どもも多いです。
休みの終わり頃や新学期のスタート時期になって急に子どもが疲れやすくなった、週に1回以上腹痛や頭痛を訴えるようになった、といった場合は精神的に問題を抱えている可能性があります。
注意して様子を観察するようにしましょう。
心身は表裏一体
国立成育研究センターが2021年12月に実施した調査によれば、コロナ禍の影響もあり小学5年~中学3年までの2~3割が週に1回以上の腹痛や頭痛を感じていることが明らかになりました。
さらに、腹痛を感じている子どもの約7割、頭痛を訴える子どもの約6割が抑うつ状態であると推定され、うつを含むメンタルの不調が身体的症状を引き起こしている可能性があると言えます。
そして、こうした不調が悪化することで、最終的には不登校という結果につながるのです。
まずは子どもに寄り添って
メンタル不調の原因は子どもの年齢によっても異なります。
小学校低学年くらいまでであれば親との関係性や日常生活のルーティーンが、高学年以上になると学校生活や友人との関係性の変化が精神面に大きな影響を与えることが多いです。
しかし、何度も言うように、子どもはこうしたストレスの原因を言葉で正確に伝えることができません。
もし不調が続いて「学校に行きたくない」となったとしても、頭ごなしに「行きなさい」と言うのではなく、まずは子どもの気持ちを肯定し、寄り添ってあげましょう。
子どもが抱えるストレスに親が気付いているよという姿勢を見せることで子どもは安心し、状況が改善する可能性があります。
それでも不調が続いたり、親の負担が大きくなったりした場合は、家庭内で抱えこむ必要はありません。スクールカウンセラーや専門医などを頼るようにしましょう。
参考URL
『時事メディカル』https://medical.jiji.com/topics/2743
『PRESIDENT Online』https://president.jp/articles/-/61099?page=4
- MR(医薬情報担当者):編集部スタッフ:古谷祥子