コロナの陰で増える手足口病~大人も感染に注意~
夏に流行する子どもの感染症として知られる手足口病。
ここ数年はコロナ対策の影響もあってか従来のような流行が見られませんでしたが、今年はコロナの感染が再拡大する中、手足口病も警報級のスピードで患者数が増加しています。
そこで今回は、大人も注意したい手足口病の特徴と対策についてご紹介します。
油断せずに症状の観察を
手足口病はコクサッキーウイルスやエンテロウイルスなど複数のウイルスが原因で引き起こされる感染症です。38度台の発熱と共に手のひらや足の裏、口腔内などに水疱状の発疹ができるというのが特徴ですが、発熱を伴わないケースもあります。
通常は数日で解熱して症状も改善しますが、まれに重症化すると髄膜炎や脳炎などを合併することがあるため注意が必要です。
4~5日経過しても熱が下がらない場合や、食事や水分が摂れていない場合は早めに受診をしましょう。
また、口の中の水疱がつぶれると痛みが生じて水分を取るのを嫌がる子もいます。
夏場は脱水の危険性もあるため、口腔内に刺激を与えないように常温の水分にするなど工夫をして気を付けるようにしましょう。
家庭内感染は大人も注意
手足口病の感染経路は飛沫と接触です。発症した子どものくしゃみや鼻水、便などから感染するため、家庭内感染も多くみられます。
抗体を持たない乳幼児が感染しやすいと言われていますが、一度抗体ができた大人であっても感染することがあるため、夏バテで体力が落ちていたり、持病があって免疫機能が低下したりしている場合は、大人も注意が必要です。
症状が落ち着いても便の中には1か月程度ウイルスが排出されています。
オムツ替えの時には特に注意をして、終えた後は念入りに手洗いをしましょう。
受診をためらわないで
国立感染症研究所が全国3000ヵ所の小児科から集めたデータによると、2022年28週時点の手足口病の患者数は10週連続で増加しており、中でも千葉県と新潟県では警報級の流行を見せていることが分かっています。
同時に、コロナウイルスの感染者も全国的に急増しています。
医療機関が逼迫しているため、医療機関の受診をためらう傾向もありますが、「手足口病だろう」と判断して自宅で様子をみてしまうのは危険です。
子どもの病気の診断には全身状態の観察と、親御さんが感じる「いつもと違う」という違和感が重要になります。
手足口病はもちろんのこと、他の病気が隠れている可能性もあるため、子どもの体調が気になる場合は、まずはかかりつけの小児科に相談しましょう。
参考URL
『感染症予防接種ナビ』
https://kansensho.jp/pc/article.html?id=IE00000856
『時事メディカル』
https://medical.jiji.com/topics/2593
『国立感染症研究所』
https://www.niid.go.jp/niid/ja/idwr.html
『Yahooニュース』
https://news.yahoo.co.jp/articles/4b61bb7eeb832f8516404ee5e5c397e949c70d0a
『讀賣新聞オンライン』
https://www.yomiuri.co.jp/medical/20220727-OYT1T50159/amp/
- MR(医薬情報担当者):編集部スタッフ:古谷祥子