近視対策は就学前から~知っておきたい対策~
目が悪い、いわゆる近視に悩む子どもの数は年々増加しています。
原因はさまざまですが、一度近視になってしまうと、視力を矯正しながら生活しなくてはならないため、子どもの将来にも影響します。
そこで今回は、近視を予防するために知っておきたい対策について、最新の研究報告と共にご紹介します。
近視とは
目の表面には角膜があり、その内側にある水晶体がレンズの役割を果たしています。
目に入った光は水晶体で屈折し、目の奥にある網膜で焦点を結ぶことで、私たちの目は何かを見ることができるのです。
しかし、眼軸長と呼ばれる角膜から網膜までの距離が何らかの原因で長くなると、網膜の手前で焦点が結ばれるため、ピントがずれて像がぼやけてしまいます。
これが近視の正体です。
深刻な近視の低年齢化
慶應義塾大学が東京都の小中学生1500人を対象に実施した研究では、小学生の近視有病率は76%、中学生では94%にものぼった。年齢が上がるにつれて割合が増える傾向ですが、最も低年齢である小学1年生の近視有病率でさえ63%と過半数を超える結果に。
この結果を受けて、未就学児を対象にさらなる研究を実施したところ、日本人は台湾やドイツなど海外の人よりも、眼軸長が長いということも明らかになりました。
つまり、就学以降は子どもの年齢が上がるにつれて近視が進み、さらに日本人の場合は就学前から近視になりやすい傾向があると言えるでしょう。
早いうちから出来る対策を
今回の研究は対象や人数が限定的であるため、より正確な結果を得るためには更なる疫学研究が必要ですが、就学前から近視対策を意識しておくことは、子どもの将来にとって大切です。
他にも、最近では「ドライアイがあると近視が進行する」、「小学生時の屋外活動時間が中学生時の視力に影響を与える」、「1日2時間の屋外活動が近視抑制に有効」などの研究結果が報告されています。
特に、屋外で太陽の光を浴びながら活動することが近視抑制に繋がるという研究報告は多く、コロナによる自粛生活が子どもの近視傾向に拍車をかける可能性も心配です。
子どもの健康的な未来のためにも、就学前の時期から積極的に屋外で遊んだり、ドライアイに注意したりと近視対策を意識的に実施してみてはいかがでしょうか?
参考URL
『メディカルトリビューン』
https://medical-tribune.co.jp/news/2022/1020547731/
https://medical-tribune.co.jp/news/2020/0608530447/
『日本眼科学会』https://www.nichigan.or.jp/public/disease/name.html?pdid=28
『ジョンソンエンドジョンソン』https://acuvuevision.jp/memamori/topics/kinshi4
- MR(医薬情報担当者):編集部スタッフ:古谷祥子