子どもの寝付きが悪い〜原因と対策について〜
健やかな心身の発達のためには、良質な睡眠をとることが非常に大切です。また、睡眠中には、骨や筋肉の発達を助ける成長ホルモンが分泌されるため、成長期の子どもにとってはさらに重要な時間といえます。
そんな中、富山大学の研究により、寝つきが悪い子どもが増えていることが明らかになりました。
そこで今回は、質の悪い睡眠がもたらす影響と寝つきを改善するための対策についてご紹介します。
睡眠時間が長い=良い睡眠ではない
富山大学は県内在住の1989年生まれの児童1万人を対象に、中学1年生時の生活習慣と布団に入ってから眠りにつくまで30分以上かかる入眠困難との関係を調査しました。その結果、10時間以上の長時間睡眠をとる男女の群で入眠困難の傾向がみられました。寝つきが悪くなる原因としては、ストレスや生活習慣の乱れにより、自律神経が整わず、体内時計がずれることが考えられます。
他にも、就寝前のスマホやゲームの利用も入眠困難の原因の1つです。実際、1日のゲーム時間が毎日1時間未満の子どもにくらべて、2~3時間の子どもの方が寝つきが悪い傾向がみられています。
このように、寝つきが悪い場合は、睡眠自体の質も低下するため、長時間寝ても疲れがとれにくくなります。したがって、「うちの子はよく寝るから大丈夫」と考えるのではなく、「長時間眠る理由は何か」を考える必要があるかもしれません。
改善するためには基本的な生活習慣の見直しがベスト
夜遅く寝て朝起きる時間が遅くなると、さらに睡眠障害が深刻化していく
睡眠障害になる前に生活習慣の見直しを
寝る時間が遅くなると、朝起きる時間も遅くなり、体内時計がさらにずれてしまいます。最悪の場合、睡眠障害を発症することもあるため、子どもの寝つきの悪さが気にある場合は早めに生活習慣の見直しをしましょう。
しかし、急に「早寝早起きをしなさい」といっても、なかなか実践できるものではありません。そこで、子どもの年齢や性格に合わせながら、少しずつ以下のような生活習慣に変えていきましょう。
- (1)寝る前にスマホなどの電子機器を手元におかない
- (2)寝る前にゲームや動画を見る代わりに「何をするか」一緒に考える
- (3)早寝より早起きをする
- (4)週末に寝すぎない
スマホを手元に置かなければ見ることもありませんし、ゲーム以外に寝る前に楽しめることを親子で考えるのもいいでしょう。また、習慣的に早く眠れない子どもの場合は、強制的に朝早く起こすことで、自然と夜早く寝るように生活リズムを変えていく方法もおすすめです。
生活習慣の見直しはとても難しいことですが、子どもの健やかな成長のために、出来ることから始めてみてはいかがでしょうか。
参考URL
『時事メディカル』https://medical.jiji.com/topics/2791
『富山大学』https://www.u-toyama.ac.jp/wp/wp-content/uploads/20220805_2.pdf
『ノボノルディスクファーマ』https://www.nordicare-aghd.jp/content/Japan/AFFILIATE/www-nordicare-aghd-jp/ja_jp/home/about/growth/working.html
『Yahoo!ニュース』https://news.yahoo.co.jp/byline/moriyamasaya/20220510-00293370
- MR(医薬情報担当者):編集部スタッフ:古谷祥子