知っておきたい子育てに関する助成制度 vol.3~学童期以降~
子どもから目が離せない乳幼児期を終えて小学校に入学する学童期に入ると、子どもは学校で過ごす時間が長くなります。同時に、親の目が届かない時間が増えることになるため、想定外のケガや病気をすることも少なくありません。
そこで、シリーズ3回目は、学童期以降の子どもの医療費負担に備える対策についてご紹介します。
学童期以降は医療費助成金額が減額
厚生労働省が定める子どもの医療費負担割合は、乳幼児で2割でした。しかし、義務教育中の子ども、つまり、学童期以降の子どもは医療費負担割合が3割に増加します。もちろん、県や自治体による個別の医療費助成制度を利用すれば、窓口での自己負担額が減額されることがありますが、年齢が上がるほど助成金額は減額される傾向があるため、子どものケガや病気にはより一層注意が必要です。
一方で、東京都23区のように子どもの医療費助成制度を充実させ、高校生まで医療費を無償化している自治体もあります。居住地の制度によって助成金額や割合が変わるため、改めてホームページなどで確認するといいでしょう。
助成対象外の負担分にも注意
子どもの通院や入院に関する医療費や薬剤費については、医療費助成の対象になります。しかし、薬剤の容器代や入院の際の食事代、差額の個室代やベッド代については対象外になることが多いです。また、病院の規定や子どもの年齢にもよりますが、子どもが入院する場合は親が同伴することが少なくありません。親が仕事を休んだ場合の収入減や他の兄弟を託児所に預けたりする費用など、医療費以外の費用を負担する可能性があることを覚えておきましょう。
実際、子どもの入院患者数は大人に比べて少ないですが、予測できない急な入院による出費が不安な場合は、医療保険に加入しておくことも1つの方法です。親の医療保険や学資保険に特約として追加したり、共済に加入したりする方法があります。
他にも、子どもが入院することになった場合、近隣に住む祖父母や親戚、友人などに頼ることができるか、あらかじめ想定して相談しておくことも大切です。学童期以降になれば子ども自身もケガや病気による入院がどんなものか分かってきます。
災害と同じように、緊急事態が起きてから慌てることがないよう、日頃からリスクについて家庭内で相談しておきましょう。
参考URL
『ヨミドクター』https://yomidr.yomiuri.co.jp/article/20221124-OYTET50000/
『厚生労働省』https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/kanja/20/dl/suikeikanjya.pdf
『東京都福祉保健局』https://www.fukushihoken.metro.tokyo.lg.jp/iryo/josei/index.html
『NHK首都圏ナビ』https://www.nhk.or.jp/shutoken/newsup/20220621c.html
- MR(医薬情報担当者):編集部スタッフ:古谷祥子