子どもの体力低下に歯止めの兆し
コロナ禍以降、子どもの体力低下が続き問題視されていました。しかし、スポーツ庁が実施した2023年度全国体力テストでは、体力低下の傾向に歯止めの兆しがみられています。
コロナ以降は子どもの体力低下と肥満が深刻化
2020年に新型コロナウイルスの感染拡大が始まり、日本では全国的に生活様式の変化が余技なくされました。マスクの着用や手指消毒の徹底に加え、感染予防のための外出自粛や休校、部活動や行事の制限など、子ども達の生活も様変わりしました。
こうした変化は一時的のように思われましたが、成長期である子ども達への影響は大きく、コロナ以降は運動不足による肥満や体力低下が深刻化していると指摘されています。
実際に、スポーツ庁が全国の小中学校を対象に実施している「全国体力テスト」の結果においても、2022年度までは男女共に体力低下の傾向が続き、一方で肥満傾向の割合が増加したため、コロナによる生活の変化がいつまで子どもの健康に影響を与えるのか不安視する声も多くありました。
コロナ明けは運動量が増えて回復傾向に
2022年度まではコロナの影響を色濃く残していましたが、2023年度の全国体力テストの結果によると、体力合計点の全国平均点が特に小中学校の男子において上向き傾向であることが分かっています。
体力合計点とは、握力や上体起こし、50m走やハンドボール投げなどの種目の点数を総合したものです。2022年度は過去最低の結果と言われていましたが、今年度の小中学生男子の平均点は、それぞれ0.3ポイントずつ昨年度よりも増加しており、回復傾向にあることが分かりました。
一方で、女子については小学校中学校どちらについても大きな変化がなく、男女ともにコロナ前の水準とくらべると、十分な結果とは言えません。
しかし、コロナ禍で問題視されている生活習慣や睡眠時間にも改善傾向が見られ、小中学校全ての男女で肥満の割合は減少しています。
今後は子どもの体力もコロナ前の水準に戻ることが期待されますが、この数年間で身に付いた生活様式や意識の変化は根強く残っているため、引き続き子どもの運動習慣や肥満には注意しましょう。
参考URL
『ヨミドクター』
https://yomidr.yomiuri.co.jp/article/20231222-OYT1T50285/?catname=haishin_shakai
『スポーツ庁』
https://www.mext.go.jp/sports/content/20231215-spt_sseisaku02-000032954_11.pdf
- MR(医薬情報担当者):編集部スタッフ:古谷祥子