子どもでも顎関節症が起こる!?~原因や家庭での注意点とは~
顎関節症というと大人が発症するイメージが強いですが、最近では子どもの患者も増えています。しかし、子どもの場合は顎関節症を知らないことが多いため、顎の違和感や痛みがあっても上手く伝えられず、不安を感じることも少なくありません。
そこで今回は、知っておきたい子どもの顎関節症の原因や発症した場合の対応についてご紹介します。
顎関節症とは
顎関節は、口を開けたり閉めたりする役割を持つ関節です。具体的には、耳の周囲の骨にある下顎窩と呼ばれる窪んだ部分に、下顎頭という丸い部分が回転しながら前方に移動することで、口を開閉しています。
下顎頭と下顎窩の間には、関節円板という組織がクッションの役割を果たしており、骨同士がぶつからずスムーズに動くようにサポートしています。
子どもの顎関節症は痛みがない
顎関節症を発症すると、一般的には「口を開ける時に音がする」「口を開けると顎が痛む」「口を大きく開けられない」といった症状を訴えることが多いです。
一方で、子どもの場合は、「口を開ける時に音はするけれど、痛みは感じない」ケースが多いとされています。
痛みがないと子ども自身も気にしなかったり、逆に音がするのを面白がってわざと口を開けたりします。
しかし、こうした行動は症状の悪化につながるため、子どもの食べ方や話し方などに違和感を覚えた時は、顎関節症の可能性も視野に入れて子どもの状態をチェックしましょう。
治療の基本は生活習慣の改善
顎関節症で音がする原因は、関節円板が本来の位置よりも前方にずれていることです。口を開ける時に下顎頭が関節円板に引っかかることでカチっという音がなります。
こうした症状は、姿勢や食事内容、関節の柔軟性や生活習慣など複数の要因が重なりあって引き起こされると考えられています。
また、日本歯科大学の調査によると、頬杖をつく、チューインガムを噛む、高さのある枕や硬い枕を使っている、管楽器を吹く、といった子どもは顎関節症の症状を訴える割合が高いという結果でした。
他にも、姿勢の悪さやストレスなども要因になり得るとされています。
顎関節症の治療は歯科で行いますが、痛みがない場合は生活習慣の指導を受けて、経過観察となるのが基本です。就寝中のマウスピースによる治療も可能ですが、成長期の子どもへの使用は慎重な検討が望まれます。
まずは、顎関節症にならないよう、生活習慣の見直しから始めてみてはいかがでしょうか。
参考URL
『時事メディカル』https://medical.jiji.com/topics/3247
- MR(医薬情報担当者):編集部スタッフ:古谷祥子