オンライン化が進む子育て制度について
厚生労働省が発表した2023年の人口動態統計によると、年間出生数は75万8631人と過去最少であることが明らかになりました。この数字は出生数が初の80万人割れとなった去年をさらに下回っており、8年連続過去最少を更新しています。
子どもの数の減少が不安視される一方で、子育て世代の負担を軽くできるよう、国や自治体が主体となって子育て制度のオンライン化を進めているのをご存知でしょうか。
そこで今回は、知っておきたい変化する子育て制度やツールについてご紹介します。
保活の手続きがオンライン化
共働きが当たり前になっている今、子どもを生んだら、今度は子どもを預ける保育所を探さなくてはならない親御さんも多いのではないでしょうか。保育所を探す活動は「保活」とも呼ばれ、小さい乳幼児を抱えてただでさえ大変な親たちにとって大きな負担となっています。
通える保育所のピックアップや見学をした上で、各自治体の役所に必要な書類を提出する。その後、入園可否の決定を受けて、落ちた場合は次の園を探す。時間も手間もかかるため、せっかくの育児休暇期間も落ち着いてゆっくり休めない親御さんも少なくありません。
こうした背景を受けて、こども家庭庁は民間のアプリを活用し、保育園の見学予約や入園申請などをオンライン化する方向で進めています。
家庭の状況に応じた点数付けや園への入園当落についても自動化することで、煩雑な手続きがスムーズになる予定です。
母子手帳もアプリで管理可能に
現在紙媒体の母子手帳をアプリで管理できるようにする取り組みも進めています。2024年度内にはスマートフォンで妊婦・乳幼児健診、予防接種の問診票入力が可能になる見込みです。
また、管理が大変なワクチンの接種券は、マイナンバーカードによる本人確認で済むようになり、健診結果や予防接種記録も自動的にアプリに反映されます。
子育て世代の負担を少しでも軽減し、子どもと過ごす時間が増えるよう、行政でもオンライン化をうまく取り入れていくことがのぞまれます。
- MR(医薬情報担当者):編集部スタッフ:古谷祥子