つけ爪の瞬間接着剤がやけどの原因に?知っておきたい注意点について
手軽にできるおしゃれとして人気なつけ爪。最近では、ネイルサロンに行かなくてもドラッグストアなどで手軽に材料も手に入ることもあり、大人に限らず若い世代の子供たちにも浸透しています。
そんな中、国民生活センターは6月19日、つけ爪などに用いられる瞬間接着剤の主成分であるシアノアクリレート系物質に熱傷リスクがあることを公式ホームページで周知し、注意を呼びかけました。
そこで今回は、身の周りの人や子ども達を傷つけないよう知っておきたい、つけ爪の瞬間接着剤のリスクについて解説します。
衣服や皮膚に付着した瞬間接着剤がやけどの原因に
国民生活センターによると、消費者から寄せられる苦情や相談情報の収集を行う全国消費生活情報ネットワークシステム(PIO-NET)には、これまでに7件の瞬間接着剤による熱傷に関する危害情報が寄せられています。また、2024年5月には、大阪河内長野市の駐車場で4歳の男の子に瞬間接着剤の成分が含まれた液体がかかり、腕にやけどを負った事件も発生しました。
警察の調査によれば、近くにいた人が使用していた爪に塗る「ネイルグルー」と呼ばれる液体に、瞬間接着剤と同じ成分が含まれていたことが判明しています。
この成分は繊維に染み込むと急激に発熱するため、液体が誤って男の子の服にかかったことで、やけどを負ったと考えられます。
シアノアクリレート系物質の危険性と対処法
瞬間接着剤に含まれるシアノアクリレート系物質は、空気中や接着面の水分と反応して硬化する際に発生する反応熱が特徴です。
特に、ティッシュペーパーや布などに染み込むと、化学反応が急激に進み大きな熱を発生させます。
消費者庁や接着剤のメーカーでつくる業界団体によると、場合によっては100度前後に達することもあるため、取り扱いには注意が必要です。
業界団体「日本接着剤工業会」によれば、ネイルグルーが衣服についた場合の対処法として、まず大量の水をかけて温度を下げることを推奨しています。
いきなり服を脱がせるのではなく、少しずつ脱ぐか、脱げない場合は生地をはさみで切り取るなどの処置が必要です。
また、手指に付着した場合は、ぬるま湯で揉むことを指示しています。
自分と周りの人が被害に遭わないよう、取り扱う際には説明書きをよく読み、事故やけがのリスクを排除した上で正しく使用しましょう。
参考URL
『メディカルトリビューン』https://medical-tribune.co.jp/news/2024/0620563369/
『NHK』https://www3.nhk.or.jp/news/html/20240524/k10014459461000.html
- MR(医薬情報担当者):編集部スタッフ:古谷祥子