子どもの吃音との付き合い方~周囲ができることは?~
子どもが乳児期の頃は「いつ発語するのか」と不安になりますが、幼児期に入ると今度は話し方が気になるという保護者の方も多いのではないでしょうか?
そこで今回は、幼児期に多いとされる「吃音(きつおん)」との付き合い方についてご紹介します。
幼児期の吃音の特徴
吃音とは、話すときに同じ音を繰り返したり、言葉に詰まったりする「発話障害」の一種です。特に幼児期の子どもたちに多く見られるもので、5~11%の子どもに発症するとされています。
幼児期の吃音は、2~3歳頃から就学前にかけて発症することが多く、約7割の子どもが自然に回復する一方、1%前後は学童期以降も症状が続くことがあります。
吃音の特徴的な症状は、同じ音を繰り返す「連発」、音を引き伸ばす「伸発」、そして言葉に詰まる「難発」という症状です。
特に「難発」では、顔や手足を動かす随伴症状が見られることもあります。
周囲の反応がさらに子どもを不安にさせる
保育園や幼稚園では吃音が原因でからかわれたり、笑われたりすることがあります。これにより、子どもが話すことに対して不安や恐怖を抱き、劣等感を持つことも少なくありません。
また、吃音のある子どもは否定的な反応を受けると、さらに発語に対する不安が増し、会話を避けるようになることがあります。
したがって、保護者の方や指導者は吃音はわざとではないことを理解し、子どもが安心して話せる環境を整えることが大切です。
ためらわずに受診を
吃音の治療や支援においては、適切な対応が求められます。吃音の症状が出た場合は、小児科や耳鼻咽喉科を受診し、必要に応じて言語聴覚士のいる施設に紹介されることが推奨されます。
また、吃音は発話のタイミングに関わる障害であるため、ゆっくりとした会話や、声を合わせて発声することで症状の軽減が期待できるため、家庭でも焦らずに対応することが大切です。
難発や随伴症状に対しては、話し方の訓練が必要な場合もあります。適切なタイミングで治療と支援を受けることで、子どもが話しやすくなるだけでなく、園や学校でのトラブルを回避できる可能性もあるため、気になる症状がある場合は、できるだけ早期に受診をして対応することが大切です。
参考URL
『時事メディカル』
https://medical.jiji.com/topics/3456
- MR(医薬情報担当者):編集部スタッフ:古谷祥子