運動不足の子ども達と「運動遊び」を
幼児期における運動や体を動かす遊びは、子どもの成長にとって非常に大切な活動の一つです。幼少期に培われた運動習慣は、子どもたちの生涯にわたる健康や幸福度に大きな影響を与える可能性があります。また、運動を通じて、友人や仲間とのコミュニケーション能力を育み、成功体験の積み重ねによる内面的な成長も期待できるでしょう。
しかし、近年は子どもの運動不足が危惧されており、その傾向はコロナ禍以降さらに深刻化していると言われています。
そこで今回は、子ども達の運動習慣の現状と重要性、そして、運動不足の対策についてご紹介します。
幼児期の運動習慣の現状
国が実施する体力・運動能力調査によれば、子どもの体力は1985年頃がピークであり、それ以降は2000年頃まで低下傾向が続いていました。その後、一時的に改善が見られたものの、コロナ禍以降は再び運動不足が懸念されている状態です。
特に、6歳未満の幼児の運動能力が低下傾向にあり、2007年の5歳児は1985年の3歳児と同程度の運動能力しか持っていないという調査結果もあります。
幼児期に運動経験が少ない場合、成人後も運動に消極的になってしまい、結果として運動不足による生活習慣病などのリスクが高くなる可能性が少なくありません。したがって、幼児期からの運動習慣の確立が重要だと言えるでしょう。
フィジカルリテラシーの重要性と具体的な取り組み
幼児期からの運動習慣を確立させるためには、「運動は楽しいこと」だと子どもに認識してもらう必要があります。
そのためには、大人が「フィジカルリテラシー」を身につけることが大切です。フィジカルリテラシーとは、運動に親しみながら、生涯にわたって続けることで、心身共に健康で幸福な生活を営むための習慣や能力のことを指します。
スポーツ庁も2022年度から、このリテラシーを普及させるための取り組みを開始しました。幼児期の運動としては、バランスを取る、体を移動させる、物を操作するという基本的な動きが含まれる遊びが推奨されます。
具体的には、「だるまさんが転んだ」や鬼ごっこ、ケンケンパや縄跳びなどが効果的です。これらの遊びを通じて、「親子で」楽しく体を動かす経験を積み重ねることにより、子どもたちの長期的な健康と成長が期待できます。
子どもの運動不足が気になる場合は、まずは親子でできる運動遊びから取り入れてみてはいかがでしょうか?
参考URL
『時事メディカル』
https://medical.jiji.com/topics/3466
『朝日新聞デジタル』
https://www.asahi.com/articles/ASS514W0SS51UTQP01DM.html
『スポーツ庁』
https://www.mext.go.jp/sports/b_menu/toukei/chousa04/tairyoku/kekka/1368159.htm
- MR(医薬情報担当者):編集部スタッフ:古谷祥子