アトピー性皮膚炎のかゆみはどう防ぐ?~乾燥する季節に知っておきたいこと~
アレルギー疾患の患者数は近年増加傾向を続けていますが、アトピー性皮膚炎も例外ではありません。患者数は約53万6000人と推定されており、赤ちゃんから大人まで、幅広い世代が悩まされる病気の一つになっています。
そこで今回は、乾燥する冬場に注意しておきたいアトピー性皮膚炎のかゆみとその対処法についてご紹介します。
子どもの肌はアトピー性皮膚炎になりやすい
アトピー性皮膚炎は、肌のバリア機能が下がったところに、アレルギーを引き起こす物質が入り込むことによって、炎症やかゆみ、赤みなどが出る病気です。
子どもの肌はもともと薄くて乾燥しやすいという特徴があり、乾燥は肌のバリア機能低下につながるため、小さな子どもは特にアトピー性皮膚炎を発症しやすいと言えるでしょう。
さらに、秋になって気温が下がると一気に空気が乾燥します。
その結果、乾燥しやすい子どもの肌は余計に水分を奪われることになり、肌のバリア機能が低下して炎症を引き起こし、痒みを訴えるようになるのです。
保湿が治療の柱
アトピー性皮膚炎は、以前は治すことができない病気と言われていましたが、現在は適切な処置と治療を続ければ、完治できる可能性があるとされています。
アトピー性皮膚炎の治療のポイントは、「皮膚のバリア機能の回復」と「炎症を抑えること」です。
特に、バリア機能の回復を目指すには、毎日の保湿が大切になります。
赤ちゃんに保湿剤を塗る場合は、親子のコミュニケーションタイムと思って、楽しみながらたっぷりの保湿剤を全身に優しくなでるように塗ってあげるといいでしょう。
また、幼児期以降のお子さんは、保湿剤を塗ろうとしても動いて上手くいかないことも少なくありません。そこで、遊び感覚で保護者の方を真似して自分で保湿剤を塗ってもらう方法もおすすめです。
乾燥する季節は、毎日の保湿を忘れずに、肌のバリア機能の回復に努めましょう。もちろん、アトピー性皮膚炎の症状は個人差が大きいため、小児科医の指示に従い、飲み薬や注射剤、各アレルゲンに合わせた対策を取り入れることも大切です。
参考URL
『ヨミドクター』
https://www.yomiuri.co.jp/yomidr/article/20241111-OYTET50012/?catname=column_nomura-yuko
- MR(医薬情報担当者):編集部スタッフ:古谷祥子