水泳が子どもの運動能力に影響!?~1歳から始める効果とは~
「子供の頃に水泳を習っていると運動能力が高くなる」というイメージから、子どもに水泳を習わせているご家庭も多いのではないでしょうか。
しかしながら、意外にも幼少期の水泳経験とその後の運動能力の発達の関連について、実際に調査した研究はありませんでした。
そこで今回は、中京大学の新たな研究報告を踏まえて、幼少期の水泳経験が運動能力に及ぼす影響について解説します。
ベビースイミングのメリットとは?
ベビースイミングは、水泳技術の向上や水難事故の防止になるだけでなく、幼児期の神経系の発達に良い影響を与え、感覚機能と運動能力の向上につながると考えられています。
こうしたメリットの多さもあって、水泳は習い事の人気ランキングで第一位になることもあるほど、多くの子ども達に馴染みがあります。
特に、3歳ごろまでにベビースイミングに参加する子どもが増えていることから、幼少期の中でもベビーの時期にスイミングを始めることにメリットを見出している保護者の方が多いようです。
1歳からの継続的なプール利用が運動能力に影響
今回、中京大学スポーツ科学部スポーツ健康科学科の加納裕久氏らは、ベビースイミングと将来の運動能力の関連を調査するため、子どもの健康と環境に関する全国調査(エコチル調査)に参加した母児7万9,687組のデータを用いて、水泳の開始時期と継続期間が運動能力発達に及ぼす影響を検証しました。
具体的には、子どもの1.5歳と3歳時におけるプールの利用頻度に基づいて次の4つのグループに分け、粗大運動機能と微細運動機能の発達との関連を評価しています。
- (A)1~3歳の間にほとんどプールを利用しなかった
- (B)1~1.5歳の間はプールを利用しなかったが、 2~3歳時には月1回以上利用した
- (C)1~1.5歳の間は月1回以上プールを利用したが、2~3歳時には利用しなかった
- (D)1~3歳の間、継続的に月1回以上プールを利用し続けた
調査の結果、C・Dグループは粗大運動と微細運動の発達遅延のリスクが有意に低いことが証明されました。したがって、1歳頃から水泳を開始することは、運動機能の発達に寄与する可能性があると考えられます。
もちろん、今回の研究は3歳までの影響しか考察していないため、今後は3歳児以上も対象にしたさらなる検討が望まれます。
参考URL
『ヨミドクター』
https://www.yomiuri.co.jp/yomidr/article/20241115-OYTET50001/?catname=medical-tribune
『PRタイムズ』
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000191.000026954.html
- MR(医薬情報担当者):編集部スタッフ:古谷祥子