成長は遺伝?遺伝じゃない?
成長は遺伝で決まると思い込んでいませんか?
成長は遺伝で決まると思い込みがちですが、実は後天的要素によって左右されることが多いのをご存知でしたか?
もちろん、遺伝の影響もありますが、睡眠・栄養・運動・愛情・病気・まわりの環境などの様々な外的要因が身長に大きな影響を与えるのです。
そのため、お子さまの成長に関する可能性はまだまだ十分にあります。
ここでは、身長が遺伝では決まらないとされる理由と、身長に影響すると思われる後天的要素についてご説明していきます。
同じアジア民族でも身長と体重が違う!
アメリカの機関に調査によると、アジアの一部の地域の人々の身長を比べてみたところ、同じ民族であるにもかかわらず、平均身長にかなりの違いがあったという事例があったそうです。
経済状況等の理由から過酷な生活環境を送っている人々は、同じ民族でも身長が低くなってしまうようです。
意外!? アメリカ人の身長が低くなってきている
オハイオ州立大学のリチャード・ステッケル教授は、「アメリカ人の平均身長も徐々に低くなっているのです」と話しています。
アメリカ人は、身長が大きいというイメージがあるので意外だったのですが、やはりこれも主に食生活に原因があるようです。
4人に1人が肥満というアメリカでは、ジャンクフードを食べる頻度が他の国よりも高く、微量栄養素が不足している可能性が考えられています。 平均身長が世界一のオランダでは、栄養管理を低年齢から徹底していることからも納得がいくところです。
また、低身長化の原因としては、その他にも働きすぎによるストレスもあると指摘されています。 子供にかかわる時間が、他の欧米諸国と比較して少ないのかもしれませんね。
生活環境が異なる双子の身長
成長期の双子の兄弟の兄が家庭の事情で、一時期両親と別居をしなければならないことになり、2年間両親から離れて施設で過ごしました。
その期間、兄も弟も良く運動をし、良く睡眠をとって、バランスのとれた栄養を摂取していました。その甲斐あって兄弟の身長は平均と比較してグングン伸びたのですが、弟の身長の伸びは兄よりも更に良かったのです。2年間の生活の違いは何だったのでしょうか?
両親のもとを離れて暮らした兄は、両親の愛情を充分に受けることができず、そのことがストレスになって成長ホルモンの分泌が悪くなったそうです。
【News!】 大阪大学で、生活習慣と遺伝に関する研究が行われました。→詳しくはこちら
生活習慣によって子供の成長が変わる可能性
2008年アメリカ大統領選のニュースで、ジョン・マケイン大統領候補が「北朝鮮に住んでいる人と、韓国に住んでいる人では、同じ民族であるにもかかわらず、平均身長が7cm以上違う」という内容の発言がありました。
マケイン氏は、この発言に何らか他の意味をもたせていたのかもしれませんが、まずは、同じ民族でこれだけ身長差が開いた事実は驚きですね。 この差は、栄養による影響が大きいと思います。
成長に必要な栄養、摂れていますか?
骨端線の成長の条件として重要な栄養素は、 カルシウム・マグネシウム・亜鉛・タンパク質が挙げられます。
タンパク質は、お肉や卵などに多く含まれているため比較的食事から摂りやすい栄養素ですが、カルシウム、マグネシウム、亜鉛に関しては、普段の食事だけでは不足しがちです。
特にカルシウムは、腸での吸収率が非常に悪い栄養素で、子供達に最も足りていない栄養素となっていますので、不足することのないよう気をつけましょう。
成長は遺伝で決まると思い込みがちですが、実は後天的要素によって左右されることが多く、上記のように栄養状況を改善したり、親から受ける愛情を大切にすることで、お子さまの成長に関する可能性は高まります。
お子さまが成長する時期は限られていますので、睡眠・栄養・運動・愛情といった、普段の生活習慣を見直していきたいですね。