睡眠改善インストラクター監修 幼児期(2歳児、3歳児、4歳児、5歳児)の睡眠の役割:スクスクのっぽくん
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睡眠改善インストラクター監修 幼児期(2歳児、3歳児、4歳児、5歳児)の睡眠の役割

幼児期(2歳児、3歳児、4歳児、5歳児)の睡眠の役割とは

子どもの健やかな心身の成長にとって、睡眠も大きな役割を果たします。特に、幼児期に、体が大きくなってエネルギーを溜められるようになり、睡眠や生活リズムの基礎ができあがる重要な時期。

また、脳の発達とともに睡眠の質も大人に近づいていく重要な時期と考えられています。

大熊輝雄 1977 「睡眠の臨床」 医学書院

新生児は、授乳と排泄で2~3時間おきに覚醒しますが、一日のほとんどを寝て過ごします。1才ごろには24時間周期の昼夜のリズムと同調できるようになり,睡眠は夜に集中してきて、日中は起きていることが多くなります。

2才以上の幼児は、ノンレム睡眠とレム睡眠の区別が明瞭になり,ノンレム睡眠に続いてレム睡眠が現れる睡眠周期が完成していきます。睡眠の質が大人に近づいてくのがこの時期です。

そして、4歳を過ぎるころから昼寝は午後に1回とるだけで、日中は活動的に過ごすことができるようになり、5歳を過ぎるころからは昼寝を必要としなくなる子も増えていきます。

個人差はありますが、このようにして、幼児期に大人に近い睡眠と生活のリズムができあがっていくのです。

幼児期(2歳児、3歳児、4歳児、5歳児)の睡眠で気を付けるべきポイント

日中は明るく、夜は暗い環境で過ごす

体内時計(生体リズム)は、夜になり暗くなると分泌される「メラトニン」というホルモンによってコントロールされています。メラトニンは目から入った光の刺激が脳に届いて分泌されたり止まったりしますが、1歳から3歳くらいの時期にそのルートを開拓しておくことが重要なのです。

また、メラトニンは1歳から5歳くらいが一生のうちで一番分泌が多い時期です。メラトニンは、体内時計のコントロール、抗酸化作用、性成熟の抑制作用などの様々な重要な作用を持ち、この時期にメラトニンをたくさん分泌させることが、その後の健やかな成長に大きく関わると考えられています。

夜は暗く落ち着ける環境でメラトニンをしっかり分泌させ、日中は明るい環境で活動的に過ごすようにできると良いでしょう。

3食、規則正しく食事を摂る

ヒトの体内時計(生体リズム)は、「食べる」という行動にも影響を受けやすくできています。「食べる」という行動が不規則だと、体内時計(生体リズム)が狂いやすいのです。

3食、規則正しく食事を摂ることも、実は、睡眠の質を上げることにつながり、健やかな成長につながっていくのです。

昼寝で寝すぎることに注意

成長してきて力を蓄えてきている子どもに無理に昼寝をさせると、夜の寝つきが悪くなったり、睡眠の質が悪くなったりすることがあります。個人差があるので一概には言えませんが、5歳を過ぎるころから昼寝をしなくても大丈夫な(夜まで眠くならない)子どもが増えますので、無理に昼寝の時間を取ることは無いと考えられています。

また、昼寝をする時にちゃんと眠れるようにと部屋を暗く静かにしがちですが、昼なのに脳が「今は夜だ」と錯覚してしまい、体内時計(生体リズム)が乱れる原因となりますので、避けた方がよいでしょう。

昼寝を必要とする子どもは、周りが明るくて騒がしくても寝てしまうものだと考えていただいた方がよろしいかと思います。

正しい睡眠姿勢

睡眠姿勢は、主にマットレスと枕で調整しますが、立っている時の背骨のS字カーブが横になった時も保てていて、体の特定の部分に余計な力が掛っていない状態が理想です。

また、人は寝がえりをうち、一晩の間に姿勢を20回前後も変えています。マットレスや枕は、適度に軟らかく体圧分散に優れつつも、適度に硬く姿勢をしっかり支え寝返りを打ちやすいものを選ぶ必要があります。

また、どんどん成長していく身体の状態に、マットレスや枕を合わせていく工夫も必要かと思います。

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寝相が悪いのですが

人は、敷寝具と接する身体の箇所を変えて血流を維持したり、布団の中の温度・湿度を調整したり、ノンレム睡眠とレム睡眠をスムーズに切り替えたりするために、寝返りを打つと考えられています。

脳が発達段階にあるお子様は、大人と比べると寝相が悪くなりやすい傾向がありますが、成長とともに寝相もよくなっていくことが多いので、睡眠環境を整えながら見守ってあげてください。

寝汗がすごいのですが

睡眠と体温には密接な関係があり、夜間睡眠の前半は深部体温が下がっていくタイミングにあたります。

身体の内側から熱を血流によって外側に移動させ、さらに皮膚の表面から外に放散させることによって、深部体温は下がっていきます。ですから、睡眠の前半にかく寝汗は、通常の生理現象と考えていただいて良いと思います。

通気性の良い寝具・寝巻を使い、しっかり水分補給をし、睡眠前半は少し涼しく、睡眠後半は汗で冷えないためにも涼しくしないように心掛けるとよいと思います。

寝ている間にはっきりとしゃべったり起きて歩いたりする

睡眠中に寝言や起きて歩き回る場合、睡眠時遊行症(夢遊病、夢中遊行)が考えられます。睡眠時遊行症は、深い睡眠から起こるため完全に目覚めさせることが難しく、本人もそのことについては覚えていない場合が大多数という特徴があります。

睡眠障害のひとつではありますが、脳が発達途中であるために起こると考えられていて、4~8歳くらいがピークで思春期以降には自然に消失していくことがほとんどです。

無理にしゃべりかけたり起こそうとしたりせず、転んだり怪我をしないようにしながら、そっと見守るようにしてあげてください。(ひどい場合には、医師に相談してください。)

※本コーナーは医師、管理栄養士、保育士など各分野の専門家に監修をいただいております。ただし、幼児期の発達・発育状態、心理状態には個人差がございますので、全てのお子様への該当を保証するものではございません。

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