- 監修:管理栄養士 磯村優貴恵
【2歳】ごはんを食べない、偏食はどうしたら?原因はこんなところにも
2歳児の偏食に悩んだら・・・管理栄養士からのアドバイス
離乳食を終え、幼児食に慣れてくるのがこの時期です。
しかし、それと同時に食に関する悩みも尽きないのではないでしょうか。
2歳頃の子どもが好き嫌いをしたり、ご飯の時間に遊んでしまったりするのはどこに原因があるのでしょう。
よくあるお悩みを交えて、ご説明します。
2歳児がごはんを食べない!よくある悩みと原因
・お菓子ばかり食べてしまう
・お菓子ばかり食べてしまう
2歳児はまだまだ1回の食事で食べられる量が少なく、朝・昼・夜の3回の食事で1日に必要な栄養素を賄いきれるかというと、そうとは限りません。
そこで大切になるのが「補食」です。
補食を「お菓子の時間」だと思われる方もいらっしゃいますが、補食はあくまでも不足している栄養を補うための食事ですので、お菓子をたくさん食べて良いというわけではありません。
しかし、甘くておいしいお菓子は子どもにとっては楽しみの一つでもあります。
ご飯や補食を食べたらお菓子を食べても良い、お菓子を食べるなら量を決める、など「お菓子」と「食事」が違うことを明確に分かるようにすることから始めましょう。
栄養補給の基本は3回+補食です。
くれぐれもお菓子を食べたからお腹がいっぱいでごはんが食べられない!ということがないように、量や時間帯にも気を配れると良いでしょう。
・ごはんしか食べてくれない
ご飯はしっかり食べてくれるのに、どうしてもおかずを食べてくれない・・・というお悩みも耳にすることがあります。
ご飯だけでも食べてくれるのであればそれはとても嬉しい事なのですが、どうしても栄養価としては不足しがちです。
肉、魚、卵、豆類からは身体の土台となるたんぱく質を摂ることができますし、野菜や海藻、きのこ類からはビタミンやミネラル、食物繊維を摂ることができます。
どれもお子さまの成長には欠かせない栄養素ですから、出来るだけバランスよく食べさせてあげたいところです。
ひとつの方法としては、ごはんを混ぜご飯にすることで栄養素を盛り込む、ということ。
ひじきやグリンピース、コーン(缶詰でもOK)、わかめ、しらす、梅干しを混ぜ込む、筍やきのこなどの炊き込みご飯にする、など旬な食材を取り入れて、効率よく栄養を補っていきましょう。
またこの時期は、歯の生え方も大きく変わります。
歯の生え方によって噛みやすい硬さも変わってきますし、水分の少ないパサパサ感が苦手な理由に上がることもあります。
お子様の歯の発達状況や好みに合わせて、調理方法も工夫してあげましょう。
もし、汁物を好むようであれば食べやすい大きさや噛みやすい硬さに調整したものを汁物とすると野菜や海藻類の栄養も手軽に補うことができるのでおすすめです。
また、ご飯をよく食べてくれるということは素材の味をきちんと感じられているということや、濃い味に慣れていないというよい証拠でもあると思います。
ですから、「ごはんしか食べてくれない・・・」とマイナスだけに捉えるのではなく、「ごはんに合うおかずを合わせて一緒に食べるとさらに美味しいよ」ということをゆっくりと教えてあげましょう。
何より、大人がごはんとおかずをいっしょに食べると美味しい!という姿を見せてあげることも子供にとってはとても大切です。
・食事量が少なく、卒乳が出来ない
卒乳は自立への第一歩です。
歯が生えそろい、消化器官が発達してくるこの時期は、液体である母乳ではなく固形である食べ物から栄養を摂ることができる体になっている証拠です。
きちんと噛んで食べることは、口腔内の発達や食経験を積むことに繋がるため、卒乳をして食べ物を口から食べるということは大切なことです。
ご飯を食べるようになったら卒乳、という自然な流れは楽ですが、思い切って断乳をすることでお腹がすいてご飯を食べるようになるということもあります。
なんとなく淋しい気持ちもあるとは思いますが、お子さまの成長を応援するため、ご飯をきちんと食べられるようになるために必要な第一歩となります。
- →2歳児の大きなハードル!断乳・卒乳のタイミングについて
食べてくれないときの確認事項と対策法
2歳児はまだまだ食欲にもムラがありますし、気分もコロコロ変わりやすい時期です。
そのため、食べてくれない理由も様々です。
確認事項は以下の通りです。
昼間にしっかり動いているか
私たち人間の身体にはリズムがあり、お昼にしっかりと身体を動かすことでお腹もすきます。「おなかがすく環境」を作ってあげましょう。
睡眠時間は十分か
昼間にしっかりと身体を動かすことで身体は適度に疲れ、ぐっすりと眠ることができます。
しかし、睡眠不足だと食事をすることよりも眠さが勝ってしまったり、遊びたいのに眠くなってしまったりして機嫌が悪くなることも。
質の良い睡眠は1日の活動リズムにもつながるのです。
歯の成長と食材の硬さはあっているか
この時期は歯が生える速度も個人差が大きく、それによって噛むことができる大きさやかたさも変わってきます。
周りと比べるのではなく、お子さまの口腔内の発達状況をみて、適度なものを与えるようにしてくださいね。
周りにおもちゃがあったりテレビがつけっぱなしになっていないか
おもちゃがあったり好きなテレビがついていたりするとご機嫌な反面、食事に集中できない環境でもあります。
ごはんの時間だけはおもちゃもテレビも一旦なくし、「食べる」ことに注力できる環境づくりをしましょう。
食具はあっているか
手先も少しずつ器用になり、スプーンやフォークを自ら掴んで食べ物をすくってみたり、刺してみたりします。
それらが大きすぎて口に入らなかったり、持ちたいと思っている食器が大きすぎて手になじまないことで食べるのが嫌になってしまうこともあります。
一度、お子さまの手や口と食具があっているかどうかも見てあげましょう。
お菓子を食べさせ過ぎていないか
甘くて美味しいお菓子を食べていると機嫌が良くなりやすいことから、ついついあげ過ぎてしまう傾向にもありますが、お菓子は食事ではありません。
あくまでも嗜好品で「楽しみ」の一つとして適量を与えましょう。
お菓子でお腹がいっぱいになることが原因で大切な食事が入らない、ということもしばしばあります。
1日の中でお菓子を与える時間帯(ごはんの直前にあげていないかなど)と量をもう一度見直しましょう。
きちんとお腹がすいた状態だと、ご飯をしっかりと食べてくれるようになります。
イライラしていませんか?食環境も影響しています
お子さまの食に関する悩みの原因は「味」だけではありません。上記に挙げているような「食環境」も大きく影響します。
一番大切なのは「ごはんの時間が楽しい!」という感覚を持つことです。
お母さんやお父さんがごはんの時に怒っていたり機嫌が悪かったりすると、子どもにとって「食事の時間=楽しくない、怖い」というマイナスのイメージがついてしまいます。
食事の時間を楽しいと思えると、食への興味が高まるきっかけにもなります。
家族で食卓を囲み、様々な出来事を話しながら食事を楽しんでいただきましょう。
また、ご家族の方が美味しそうにご飯を食べている姿を見せることも大切です。
食事の時間を楽しい時間に
2歳前後は成長が著しいとともに周りとの差が気になったり、うまくいかないことがたくさんあったりと悩みが尽きることがない年代でもあると思います。
本来、食事はコミュニケーションも取ることができる貴重な場です。
食事の量にムラがあっても3日間や1週間などある程度のまとまった単位でみて、食べられていたらOKです。
無理をせず、食事の時間を楽しいと思える環境づくりを大切にしましょう。
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※本コーナーは医師、管理栄養士、保育士など各分野の専門家に監修をいただいております。ただし、幼児期の発達・発育状態、心理状態には個人差がございますので、全てのお子様への該当を保証するものではございません。
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