トイレトレーニングを始める目安は?進め方や準備について
保育士・育児アドバイザーが教える「トイレトレーニング」について
トイレトレーニングの時期が来ると、何をどうしたらいいのか?正直分からないと育児相談に来るママが後を絶えません。私自身の経験もふまえてママたちの支えになれば、と思います。
トイレトレーニングの前から心がけておくこと
環境設定
・おむつ替えの場所をトイレ近くの一定の場所にしておく
排泄は生理現象ですから、一定の場所にしておくことで体が覚えやすくなります。
・寝起き、食事の前後、就寝前など生活の場面が切り替わる時におむつ替えをする
トイレトレーニングが始まった時、トイレに誘うタイミングは寝起き、食事の前後、就寝前など。そこで、トイレトレーニングを始める前から「トイレをする時間」と言う生活リズムを作っておきます。
この時期にやってはいけないこと
紙おむつの消費がもったいないから、という理由でおしっこが出ていることが分かっているのに取り替えないのはせっかくのチャンスを無駄にしています。
「チー出た」など、お子様がおしっこが出たサインを出して来たら、すぐにおむつの確認をして取り替えてあげましょう。トイレトレーニングは布パンツになってからではなく、もうこの時期から始まっているのです。
トイレトレーニングを始める目安
・ 歩行が完成されている
おしっこが分かる準備ができたと言う印です。腰や背中もしっかりとしているのでおまるや便座に腰かけることも出来ます。
・ 言葉が出ている
「チー出た?」などのやり取りができないとトイレトレーニングの意味を成しません。従って、歩行が出来ていても言葉がまだ出ていなければトイレトレーニングの時期ではありません。
・ おむつが長い時間汚れなくなっている
膀胱がおしっこをためられるように成長している証拠です。概ね1時間半~2時間、おしっこの感覚があいていると始め時でしょう。
準備しておくもの
・布パンツ20枚程度(1日の洗い替えがこれくらいあるとよいでしょう)
お子さんと一緒に買い物に行って好きな絵柄やプリントなどを選ばせてあげることでトイレトレーニングの自覚もあがっていきます。
・子ども用の補助便座
補助便座は必要な場合と必要でない場合があります。これは、お子様の月齢や状態によって異なるため「バランスよく座れない」場合はおまる、「座ることはできるけれど、サイズが合わない」場合は補助便座など、状況に合わせて選んであげましょう。
また、その際、お子様のお好みのキャラクターなど、トイレは楽しい空間!と思えるような工夫もしてあげましょう。
・踏み台ステップ
便座に座った時に脚を踏ん張れるようにステップもあると便利です。
トイレトレーニングの進め方
パンツを買ってきたらお子さんとパンツをはくことが楽しみだね、などと話をして心の準備も整えてからスタートします。
事前準備同様に生活の場面切り替え時にトイレに誘います。出なくても便座に座るようにします。出るまで、と長い時間座らせないで良い頃合いで切り上げてあげましょう。
失敗したら「出ちゃったね。汚れたから取り替えようね」を繰り返します。
初めのうちは出てから教えてくれる
失敗しても、「チー」「チッチ」などと出た事を伝えてくれたらそのことを褒め、取り替えてあげましょう。また、汚れたら気持ちが悪いね、などと衣服を清潔に保つことの大切さも伝えていきます。
子どもの様子を見て尿意を表すようなしぐさの時にトイレに誘ってみてください。うまく誘いに乗ってくれ、さらに成功したら「良かったね、おトイレでおしっこ出たね」と成功を共感するように褒めましょう。
「出る時はトイレに行こうね、教えてね」と伝えておきます。何回か続けていくうちに成功率が上がってきますから、気長に取り組みましょう。
こんなことに気を付けて
おしっこはほぼ完成したのにうんちの時だけおむつにわざわざ取り替えて部屋の一定の場所にしゃがみこんでうんちをする子がいます。トイレの成功に焦点を当てすぎて子どもが便意を催している気配になると、大慌てでトイレに連れて行く!と言うことをしてしまうと、と逆に驚いて便意が消滅することも。
便秘がちになる事もあるのでお子さんの様子を見ながら少しずつトイレに誘いましょう。
決して感情的に怒ってはいけません
トイレトレーニングを始める時期はイヤイヤ期と重なっているため大人の方も子どもとのやり取りでイライラすることが多くなります。
しかし「教えてって言ったでしょう」「また、やった」などのネガティブな言葉かけは子どもの自己肯定感を低めるばかりです。
失敗したことを非難せず、失敗しても大丈夫であることを地道に気長に伝えていきましょう。安心感の先に成功が待っています。
保育園で行っているトイレトレーニングって?
保育園でのトイレトレーニングはいたってシンプルです。前述の「トイレトレーニングの進め方」同様に、布パンツをはかせて、場面の切り替えでトイレに誘い、失敗したら取り替える、の繰り返しです。決して他の子どもと比べるようなこともしなければ叱る事もしないで、明るく対応している保育士さんの姿があります。
「出ちゃったね。汚れちゃったから気持ち悪いね。パンツ取り替えようね」と言う言葉がけがほとんどです。
衣服の着脱も見越していきましょう
基本的生活習慣の自立の1つとして、衣服の着脱があります。保育園ではそれも先に見据えて自分でパンツが履けるようにトイレの外などに箱型の腰かけを置いておき、そこで子どもが自分でパンツが履けるように援助しています。
自宅でもパンツの場所を決めておき自分で持って来れるように声掛けしたり、同様に汚れたパンツの置き場所も分かるようにしておきましょう。
支援センターも上手に利用しましょう
トイレトレーニングはお子さんが大きく成長する大切な時期でもありますが、実は親の方も「忍耐強さ」を試される期間でもあります。取り組んでみて不安が募ったりイライラが溜まるようならば、一人で抱え込まずに近くの専門機関に相談に行くことをおすすめします。
育児情報は時代と共に進歩しています。昔の常識は今の非常識に変化していることもしばしばあります。公設の子ども家庭支援センターなどで相談に乗ってもらうことが困った時の最良の解決案です。
保育士・子育てアドバイザー/佐久間みかプロフィール
保育士として30年以上のキャリアをもつ。「子育てに向き合う方の小さな悩みを一緒に解決したい」との思いから、子育てアドバイザーとして活動。親子遊びの提供や、育児相談を受けている。現在は、公設の子ども家庭支援センターに勤務。育児講座やお茶会を開くなど地域に密着した活動を行っている。
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※本コーナーは医師、管理栄養士、保育士など各分野の専門家に監修をいただいております。ただし、幼児期の発達・発育状態、心理状態には個人差がございますので、全てのお子様への該当を保証するものではございません。
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