心配な事は個性として受け入れる所からスタート ー元幼稚園教諭から見た『園児のココロ、大人のココロ』
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連載:元幼稚園教諭から見た『園児のココロ、大人のココロ』
今回のテーマ

心配な事は個性として受け入れる所からスタート

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お友だちと比べて心配していませんか

お友だちと上手に遊べない、上手に絵が描けない、食が細くてご飯を食べてくれないなどの相談をよく受けます。

つい出来ない事に目が向いてしまっていませんか。

他の子と比べてしまう事もあると思いますが、その子その子のぐっと成長する時期ってありますよね。

よく受ける相談と子ども達の様子を紹介します。

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お友だちとの関わり方にも種類があります

・園に行ったらぽつんと一人で遊んでいた

・園での話しを聞いてもお友だちの名前が出てこない


お友だちと遊べないって親としては心配ですよね。

関わりが上手くできず援助が必要な場合もあります。

遊ぶお友だちがいないとご家庭でも落ち込んでいたら園に相談してください。

「遊ぼう」と誘う練習を一緒にしてみるのもいいかもしれません。

しかし、中には誘われても一人で遊びたい気分だからと遊ばない子もいます。

たまには一人で鉄棒の練習に打ち込みたい時もあるのでしょう。

また、中には遊んでいる友だちを監察して楽しんでいる子もいます。

本人が気にしていないなら心配しすぎず様子を見てもいいと思います。


年少においては長時間、継続して同じ遊びをする事は難しいです。

自分の遊びたい遊びに友だちが集まれば一緒に遊ぶ、そしてまた他の興味がある所へ行くというのが基本です。

集団生活の中で、次第に仲間ができ、遊びを決めて遊ぶようになります。

しかし、年長になっても自分のしたい事に没頭する子は、みんなと遊ぶ事よりも自分のしたい事を貫きます。それも個性だと思います。

全く誰とも関われないわけではなく、お弁当の時には楽しく話しをするなど他者と関われていれば心配ないように思います。

本人が園生活を楽しんでいる事が一番です。

心配されていた親御さんが、話しに聞いていた通り我が子が誘われた遊びを断っている所を見かけ、この子は本当に一人で遊びたくてそれを楽しんでいるのだと感じたそうです。

小学生になり、彼は毎日図書館で過ごすのが大好きで本を借りてきては夢中になっていると聞きました。

無理強いして遊ばせる事が正しいとは限りませんし、いつか生涯の友を見つけるかもしれません。

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苦手な事自体に問題がない事、変わる事も

・絵が上手に描けない

絵が上手に描けないのではなく、独特の視点で個性的な絵を描く子もいます。

みんなと絵の様子が違っていても本人が一生懸命描いたという事が大切だと思います。

また、絵を描く事の大切なポイントは自分の想像したもの見たものを表現する事や、集中して物事に取り組むという事にもあります。


・表現する事が苦手(人前で話す事や踊る事が苦手など)

人前で話すことや運動会の踊りが苦手だった子がいました。

ところが、お遊戯会の劇の役が気に入り立候補しました。

セリフはCDで流れる劇でしたが、全て覚えて自分で話し、オリジナルの動作まで入れていました。

本人の熱意を尊重し、同じ役の子に同じ動きにならなくていいよと伝えたほどです。

ところがお遊戯会の前日まで風邪で数日休んでしまいました。

今までなら不安で泣いていたはずなのに、しっかり練習したから大丈夫とみなぎる自信で当日を乗り切りました。

気に入った役に出会い、今まで園で苦手な事も乗り越えてきた経験も重なり、花開いた瞬間だと思います。

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食が細くても健康ならそれが今の適量

食が細い、好き嫌いが多いと相談を受けます。

時間内になかなか食べられなかったり、保育者に手伝ってもらったりして何とか食べ終えている事も。

様子を連絡すると、お弁当だとみんなにつられて食べてくれるからと、家での量よりも多く詰めたり、嫌いな食べ物を何種類も詰めている場合があります。

食べて欲しいと願う親の気持ちとは反し、食べなくてはいけないとプレッシャーに感じ、お弁当を開いただけで吐き気を催したり、泣いてしまったりする子がいました。

楽しく、食べきれる量で自信をつけさせてあげて下さいといつもお話しています。

成長のタイミングに合わせて食べられるようになるかもしれません。

それも個性くらいの気持ちで受け止めて様子を見てあげるといいと思います。

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個性を伸ばす楽しみ

水族館に行った時のこと。

さかなクンが講師で来ていて彼の探究心と子どもたちに対する真摯な姿勢に感動し、「さかなのなみだ」という本を買いました。

彼の独特の視点でいじめについて書かれています。そこに彼が今に至るまでが書かれていました。

友だちが描いた蛸の落書きに感動し蛸の虜になったそうです。

毎日魚屋さんに足を運び、お母さんにお願いして一カ月蛸を食べ続けた事も。

お母さんは探究心に付き合い、水族館へ連れて行ったり、絵を描く用に蛸やお魚を買ってあげたりしたそうです。

魚屋さんまで珍しい魚を仕入れると教えてくれるように。

絵を描く事と魚に夢中になりすぎて勉強は苦手だったそうですが、周囲が彼を受け入れ、彼の個性を伸ばしてあげたからこそ、今のさかなクンがいるのだなと思います。


親心で周りの子と比べて出来ない事が心配になってしまいますが、もしかしたら親の願った方向と違った芽を出すかもしれません。

どんな個性が伸びていくのか今後が楽しみですね。

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この記事の先輩ママ:rengesou
プロフィール:
幼稚園勤務を経て現在一児の母。イヤイヤ期の我が子に現在奮闘中。お昼寝中のデザートが最高の息抜き!それを楽しみに朝から全力で遊ぶ毎日です!
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