夏見円プロフィール
1978年7月2日、北海道網走市生まれ。 小学校2年からクロスカントリーを始める。 網走第一中学校、旭川大学高校から日大に進学。 卒業後はチチヤス乳業に。 現在、JR北海道所属。 00年の全日本学生10kmフリー、5kmクラシカル優勝。 ソルトレイクオリンピック、スプリント12位。 05年全日本選手権スプリントでは2年連続3度目の優勝。 ソルトレイク五輪に続き、トリノ五輪にスプリントに出場予定。 身長170cm 体重59kg (父164cm 母159cm 兄180cm 姉164cm)
やはり睡眠は大事
- のっぽくん
- 昨日オーストリアの海外合宿から帰国したばかりで、今日から3日間の国内合宿。一週間後にはW杯転戦へと、過密スケジュールが続いていますね。トリノへの準備は着々と進んでいるようですね?
- 夏美円
- 「客観的にみれば、毎シーズンと同じスケジュールをこなしているので、あまり変わりませんが、やはりオリンピックが控えていますから、意識としてはかなり違いますね。
今年も例年通り、8、9月からスキーに乗り始めて、持久力、フォームのトレーニングをこなし、これからは実戦形式のスピード練習や試合に向けた練習に入ります。いまのところとても順調です」 - のっぽくん
- 滑走技術はもはや完成されていると聞きます。残された期間での課題はなんですか?
- 夏美円
- 「1km前後のコースを滑るスプリントという競技に出場しますが、オリンピックでは予選で1人ずつ15秒おきにスタートをして、そのタイムのベスト16が決勝に進みます。そのベスト16から、4人一組でスタートして、2人勝ち抜けしていくという競技方法です。
そこではスタートが大変重要です。レース中、前を滑る選手を追い抜くには、コースを変えたり、アウトコースから遠回りしたりとロスが生じます。いかにピストルの音に反応し、いいスタートができるかが、これからの練習の課題です」 - のっぽくん
- スタートが大事なのはわかりますが、その後1kmも滑るのですよね。クロスカントリーの競技のなかでは、スプリントは短距離かもしれないけど、陸上の100m競争とは違いますよね。
- 夏美円
「そうですね。たしかに瞬発力は大事ですが、スタート時点で先頭に立たなければと無理して前に出ても、そこで力を使い果たしては意味がありません。クロスカントリーのスタートで求められるのは、最大限の力を使わなくとも前に出られるような、車でいうと、スムーズにギアチェンジしていく力です。
例えば、重いバーベルを持ち、全力で10回を一気にやろうとすると、最初2?3回は勢い良くできますが、9?10回目になると、力が出ず、ゆっくりになってしまいますよね。それは筋肉のなかに乳酸が出てくることで、疲労し動きがにぶくなってくるのです。
いかに乳酸を出さないようにして、スピードを維持できるか。でも逆にスタート時点で抑え過ぎると、最後までスピードに乗ることができずに終わってしまうこともあるのです」- のっぽくん
- トリノ五輪での目標は?
- 夏美円
- 「ファイナルに残ること、つまりベスト4が目標です。今まではスタートからスピードに乗って楽に滑っているつもりでも、どこか必要以上に力を出しているのでしょう。後半にガクンとスピードが落ちゴール前で減速するというパターンが多かったのです。いかに力をラストまで残していけるかが鍵です」
- のっぽくん
- あと半年に迫ったオリンピックを前にして、スキーの技術以外で、精神面や体重管理などで、気をつけていることはありますか?
- 夏美円
- 「まあ、それほど気をつけていることはありません。クロスカントリーは体重を減らし、体脂肪を落としたからといって、それがベストではありません。コースには上り下りがあり、とくに下りを滑り降りるときは、体重が軽いと減速されてしまうので、一概に太っているからいい、痩せているからいいということではありません。体質はそれほど太りやすい体質ではありませんが、練習量に合わせ、食事の量を加減するくらいで、さほど気を遣っていません。
今は低反発の枕が手放せず、海外遠征でも必ず持っていくようにしています。
その上で、精神的に落ち着かなかったり、考えることが多かったりするときは、アロマキャンドルを炊いてリラックスして、きちんと睡眠を取ることに心がけています。
やはり睡眠は大事ですからね。そういう自己管理も普段から工夫するようにしています」
インタビュー目次
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