山本郁栄プロフィール
1945年 愛知県生まれ。 日本体育大学に入学と同時にレスリングを始め、7年目の1972年ミュンヘンオリンピックの日本代表となる。 その後、指導者としてクラブチーム、オリンピックコーチに。またアメリカ留学で学んだテーピングを日本に持ち込み、スポーツ医療にも貢献。現在、日本体育大学スポーツ医学研究室教授。
とにかく食べてみる
- のっぽくん
- レスリングの山本美優、聖子選手、そして、今、格闘技界で、もっとも観客を湧かせられるkid徳郁選手。そんな3人のお子さんをみていると、芯の強さを感じます。子育てにおいて、心がけてこられた、こだわったものには、どういうものがありますか?
- 郁栄さん
- 「とにかく、食べ物の好き嫌いをさせませんでしたね。子供だから、それは、最初は誰だって苦手なものはあります。たとえば、ピーマンが嫌いだとする。でも、ピーマンには栄養があるから親としてはなんとしても食べさせたい。だから“食べろ”と親はいう。でも、子供は“もう嫌だ”と食べない。それで親はイライラしてしまうわけです。
そんな苦手なものを、どのように調理をしたら美味しく食べてくれるんだろう、と考えたわけです。そこで、甘い味つけを工夫したり、子供向けの料理に入れてみたりして、それを何回か続けて食べさせる。それを1週間でも10日でも、毎日続けて。
その上で、その苦手な食べ物が、どんなに身体に大事かを説明もするんです。これをずっとやる。すると食べられるようになる。仕向けるんですよ」 - のっぽくん
- 苦手な食べ物を小さく刻んだり、すり下ろしたりして、子供に食べさせる親は多いと思いますが、調理法や味つけで工夫をされた。
- 郁栄さん
- 「まずは、健康のためですよね。あれが嫌い、これが食べられないとなったら、子供の成長によくない。栄養のバランスがよくないということがそもそも。
さらにいえば、食べ物に嫌い、苦手、不得意なものがあり、そのままでもいいと考えてしまうと、すべてに対して、苦手、不得手、嫌いというのが、通用すると思ってしまうのです。
たとえば、勉強でも、体育は好きだけど、算数は嫌いとか……。人間が成長していく上では、いろんな物、人に出会っていくわけです。そのときに、先入観で、この人は嫌いだから、これは苦手だからと、簡単に避けてしまうと思うのは、その子供の人生を狭くしてしまう可能性があるのです。
それどころか、人が生きていく上では、苦手だと思う人でも、嫌だと思うことでもやらなくてはいけないことがでてきます。それを考えれば、好き嫌いというのは、できるだけない方がいいと、思っているからなんです」 - のっぽくん
- なるほど、好き嫌いがないと、そこまで広がる。お父さんとしても、そんな経験があるから、子供にも勧めていたのですか?
- 郁栄さん
- 「そうですね。レスリングでも、スタイル、戦い方などで、苦手な選手を作ってしまうと、かなり不利になります。対戦相手に、苦手意識を持たない方がいいわけです。
それと同じことで、人間関係に置いても、苦手意識を作ると、それだけで人生がつまらなくなってしまうと思っているんです。人間、つき合ってみればわかることが、たくさん、あります。それを最初の苦手意識だけで判断してしまい、せっかくのチャンスを逃してしまうということがあるのです。
だから、食べ物にしても、好き嫌いなどいわず、とにかく食べてみる。半分残してもいいから食べてみる。そんな意識が必要だと思ったんです」
インタビュー目次
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