岡崎朋美プロフィール
1971年 北海道斜里郡清里町の酪農一家にて生まれる 1980年 スケートを始める 1994年 リレハンメルオリンピック出場 1998年 長野オリンピック出場 銅メダル獲得 2002年 ソルトレイクシティオリンピック出場 2006年 トリノオリンピック出場 マイペースがモットー。常に限界を考えず、5度目のオリンピック出場を目指して、現在もトレーニングに励んでいる。
大地の恵みが育てた肉体
身長163.4cm 体重57kg
ももの太さ右57.5cm 左58.5cm 靴のサイズ24.5cm─。
スピードスケート選手として、それほど恵まれた体格とはいえない。故障もあった。ソルトレイク五輪の前には、椎間板ヘルニアを患い、現役選手としては致命的ともいえる、腰への手術をした。
順風満帆ではなかった。
それでも、第一線で活躍を続け、05年には、自身7度目となる500mでの日本記録更新をなしとげている。岡崎朋美選手は、いまだに進化し続けている。そんな強じんな肉体は、いかに作られたのだろうか。
両親の話からわかったのは、北海道の大地の恵みと愛情溢れる手料理だった。
母・イセノさんがこう語る。
「そんなに特別なものは食べさせていないですよ。たとえば、朝は朋が好きな納豆と味噌汁。味噌汁は、畑で作った大豆を使った自家製味噌です。といっても、朝、子供たちが起きる前に、牛の搾乳をして、それからご飯の準備をしていたから、もう、朝はけっこういい加減。ご飯と味噌汁と納豆などのおかずがつくくらいですね」
イセノさんはさらりと語るが、自家製味噌とはすごい。しかも自宅の畑でとれた大豆を使って作るという。かなりの手間ひまがかかるが、それを使った味噌汁となると、これほど贅沢な朝食はない。
この自家製味噌は、岡崎選手の空腹を満たす、必需品でもあった。
「あの当時はおやつにお菓子なんて買わなかったからね。朋も、学校から帰って、お腹が空いたら、ビニールハウスになっているトマトやキュウリを取ってきては、味噌をつけて食べていました。そんな食べ物しかなかったからね。勝手に食べていましたよ」(イセノさん)
もぎたての野菜に自家製味噌がおやつ…。これまた、贅沢である。
自宅の畑で実った大豆は、イセノさんの手によって豆腐にも変わる。
「やっぱり買ってくるものよりも甘くておいしいから、豆腐もときどき作っていましたね。作るのは簡単ですよ。ミキサーにかけて、苦汁(ニガリ)を入れて。そんなに特別なものじゃないですよ。ほんと暇があるときに作っていただけだから」(イセノさん)
あまりに驚く記者に、少し気恥ずかしいのか、イセノさん、照れ笑いをしながら、こう語る。
「けっこういい加減でしたよ。あとは牛乳があるから」
インタビュー目次
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