岡崎朋美プロフィール
1971年 北海道斜里郡清里町の酪農一家にて生まれる 1980年 スケートを始める 1994年 リレハンメルオリンピック出場 1998年 長野オリンピック出場 銅メダル獲得 2002年 ソルトレイクシティオリンピック出場 2006年 トリノオリンピック出場 マイペースがモットー。常に限界を考えず、5度目のオリンピック出場を目指して、現在もトレーニングに励んでいる。
搾りたての牛乳が水代わり
岡崎家の冷蔵庫には、大きなペットボトルに入れられた牛乳が常備されていた。岡崎選手は、それを水代わりに飲んでいたという。
しかも、この牛乳、自宅のとなりにある牛舎で朝、搾られたばかり。これを1度、熱をとおし、冷蔵庫にいれておくそうだ。
「あの頃は、ジュースなんて飲まなかったね。搾りたてだから、売っている牛乳よりも、濃い味がするんですよね。そのままだから新鮮だしね。それを大きなペットボトルに入れていても、あっという間に無くなっていたからね。朋はどのくらい牛乳を飲んでいたかね…。学校から帰ると、勝手に冷蔵庫から牛乳を出しては、がぶ飲みして、それから外に遊びに行っていたからね」と、イセノさん。
搾りたての新鮮な牛乳が毎日飲めるなんて、普通の家庭ではありえない。しかも…。
「朋のお姉ちゃん、お兄ちゃんも、牛乳はよく飲んだけど、朋は、年齢が離れていることもあって、一人で牧場を走り回ったり、ドロドロになったりして、遊んでいた。とにかく人一倍、外で遊んでいましたね。そんなことも関係あるんじゃないでしょうか」と、元さんが語る。
昨今の健康ブームでは、牛乳が「高カロリー」「高脂肪」などの誤った印象をもたれ、消費者から敬遠されている。生産過剰で、廃棄処分される牛乳もあるという。岡崎家でも、その余波はある。
それでも、
「(牛乳を)作り続けないと、牛がだめになる」(父・元さん)
と、今でも朝から晩まで、両親は働き続けている。
楽をして健康になる、身体を使わないで痩せる─。最近の牛乳を敬遠する風潮は、安易な健康ブームのひとつのような気がする。
さて、岡崎家には、牛乳を使ったおふくろの味がある。
「牛乳豆腐といって、初乳(出産直後の乳牛が出す濃厚で栄養豊富な牛乳)を鍋で煮ると、フワフワと自然に固まってくるんですよ。それがおいしいんですよ。朋なんかは、大きめのお皿に山盛りにしておけば、自分で醤油をかけて、ぺろり。味は普通の豆腐みたいだけど、栄養があるからね」(イセノさん)
初乳というのは、成分が不安定なため市場に出荷することができない。そのため持て余すこともあったという。つまり牛乳豆腐は、酪農家の「生活の知恵」である。
とはいえ、いくら栄養豊富でも、酪農家でなければ牛乳豆腐は食べられない。新鮮な牛乳だって同じこと。たしかに岡崎選手は、恵まれた環境のなかで育ったといえる。
しかし、それだけではない。そんな環境を活かしつつ、両親の愛情溢れる思いで、岡崎選手は育っていった。
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