大場満郎プロフィール
1953年 山形県最上町で農家の長男として生まれ、29歳まで農業に従事。 冒険旅行を兼ねてアマゾン河6000kmを筏で下り、その後世界で初めて、北極・南極 両極単独歩行横断を果たした。 1999年 植村直己冒険賞 受賞 2001年 夢だった「アースアカデミー・大場満郎冒険学校」スタート。 現在も、子供たちに人間本来の豊かな生き方を提案し続けている。
アマゾンで触れた人たちが教えてくれた人間のたくましさと、暖かさ
世界を見てみたいと、日本を飛び出した大場満郎さん。まず彼が向かったのは、流域面積世界一を誇るアマゾン河。 6000kmを筏で下りながら、その地域に住む人たちの実情を知る旅だったという。
「帰る家はない、故郷の水も飲めない、親にも友達にも会えない──。そう決意したとはいえ、とてつもなく寂しいことでした。途中、ニューヨークに立ち寄ったときも“お前は世界一、寂しそうな顔をしている”と言われました。
そんなときに“自分の気持ちに正直に生きないと、最後に笑って死ねない。”と言っていた鷹匠の沓沢朝治さんを思い出したんです。
地球の大きさを肌で感じ、自分の存在意義を見つけ、自分なりの生き方をして、最後までニコニコ笑って、目を輝かせて死んで行きたい──。だからこそ、日本を飛び出して、自分の心の声に素直に従い、後悔のない人生を送るんだと言い聞かせました」
今もなお、中学生のときの出会った沓沢さんの言葉が胸に響く。その出会いがなければ、冒険家の自分はなかったという。世界中の色んな“生き方”を見ようとした大場さんは、アマゾンで何を感じ取ったのだろうか。
「雨季と乾季で水面が10mも違う苛酷な環境の中で、みんな元気に生きている。しかも、一旅行者の自分を快く受け入れてくれ、人間の強さ、優しさを感じました。
しかも、常識に縛られず自由に生きているんです。タロイモやココナッツが自生し、川には魚があふれている。だからあくせく働かなくても平気。不自由な生活をしているけど、みんな目を輝かせている。日本のようにお金や風習にまったく縛られていない。“こんな生き方はいいなぁ”と素直に思いました」
色々なことを肌で感じる、何事にも変えがたい“財産”。過酷と思われた場所で、いきいきと生きている人間の強さ、素晴らしさを知った大場さん。その“財産”を増やすため旅を続けた。
「アマゾンに住む人たちのたくましさを見ることができました。では厳しいところで暮らす人たちは、どんな生活をしているのか。もっと色んな所に行ってみたいと思いました。それで、北極圏に住むイヌイット(エスキモー)に会いたいと思ったんです」
大場さんは、本当に純粋だ。心の声に耳を傾け、それを行動にうつしている。いや、うつさないと気がすまないようだ。
インタビュー目次
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