大場満郎プロフィール
1953年 山形県最上町で農家の長男として生まれ、29歳まで農業に従事。 冒険旅行を兼ねてアマゾン河6000kmを筏で下り、その後世界で初めて、北極・南極 両極単独歩行横断を果たした。 1999年 植村直己冒険賞 受賞 2001年 夢だった「アースアカデミー・大場満郎冒険学校」スタート。 現在も、子供たちに人間本来の豊かな生き方を提案し続けている。
これからの冒険学校 冒険家として伝えたいこと
一度は、村を飛び出した大場満郎さん。かつて大場さんを白い目で見ていた周りの人たちはどう考えているのだろう。地元で乗ったタクシーの運転手さんがこう語った。
「この地域は過疎化が進んでいて、寂れてきている。だから、大場さんのように、子供たちにここの良さを伝えて、戻ってきてもらえるような場所にしていきたい。本当はもっと冒険学校を大きくして、町が活気付くようにしてもらいたいけれど、大場さんは金儲け主義ではないし、一人では大変だから、地域の人が協力しないといけないね」
以前のように閉鎖的なままでは、成立しなくなってきた村社会。昔は非難していた、大場さんの生き方を、今ではみんなで後押ししようとする動きになっている。地域全体で目を輝かせる生き方を提案している。
周りの人にも認められた大場さんは、将来の冒険学校をどのよ うにしていくつもりなのだろうか。
「今でも、都会から来た子供たちに、最上町の学校を見学する機会を設けています。学校は、地域にとって大切な場所なのです。学校が地域を盛り上げる場になっているので、地域活性化の手伝いになればとも思っています。最上町が第二の故郷になり、いずれはこっちに移り住んでくれたら良いと、少し期待しています」
現在、ツアー会社から100人単位でツアーを組ませてくれないか、という依頼もあるが、大きな施設がないため、断っている段階だという。
「いずれはスタッフも増やして、山村留学のように一年間の過ごしてもらったり、情操教育やっている学校にも役に立てたりしたいと思っています」
そんな子供に豊かな経験をさせるための環境作りの一方で、現在も地球縦周り一周の冒険を継続中という大場さん。
グリーンランドから北極圏、カナダ、そこから南北アメリカ大陸を縦断し南極へ。さらに、オーストラリア、アジアを通り再び北極へ。今まで以上に壮大な冒険だがそこで、伝えたいこととは何なのだろうか。
「今までも感じていた環境汚染による地球の変化。温暖化や砂漠化、森林伐採などを、現地から直接伝えたいと思い、始めた冒険です。色んな専門家と同行して、現地から色んなものを発信する。また、先住民族の生活や文化なども伝えていきたいと思っています。この冒険では、専門家の先生や、メディア、国連など色々協力してもらわないと、成果が出ないので大変ですが、やりがいがあると思っています。冒険に行く隊員は広く募集しているが、最近はなかなか集まりません。みんな、頭で考えて結論を出してしまいます。」
冒険学校でも自身の冒険でも子供や親たちに、大場さんが伝えたい事は共通している。何事も頭で考えるだけでなく、自分の体で感じてほしいということだ。
編集後記
「最後まで笑っていたい」という冒険家・大場満郎さんは、今も昔も自分に正直に生きている。きっとこれからも笑いなから、生きていくはずだ。
展示室に飾ってある写真。極寒の地で撮られたはずだが、どれも笑顔が絶えない。そこには、人生を楽しんでいる人の姿が写 っている。形こそ違うが、そこには大場さんが尊敬する鷹匠・沓沢朝治さんの思いが感じられる。
自分は今、こんな笑顔ができているだろうか?大場さんに出会ったことで、いつか、心の底からこんな表情になることが、目標になった。
広大な自然の中で、季節を問わず楽しめる冒険学校のご紹介です。
(夏)無農薬野菜を作り、食べ物の大切さが実感できる“野菜作り”生地から作り石釜で焼き上げる本格的な“ピザ作り”雄大な自然を感じる“登山体験”など
(冬)数頭の犬に指示を出し雪原を疾走する“犬ぞり体験”風の力でスキーを滑らせ、時速数十キロにもなる“スキーセール”一匹の犬に引っ張ってもらうスキーをする“ジャーリング”など、スキー場とは一味違った冬の楽しみ方が出来る。
また、冒険学校のある“前森高原アウトドアエリア”は、他にも様々な施設がある。
最上焼きが作れる“ふれあい陶芸館”自分の力量にあわせてコースが選べる“乗馬体験施設”そば打ち体験が出来る“そば処”家族みんなで楽しい“オートキャンプ場”コテージがあり宿泊も可能。
いつでも、誰でも楽しめる1日では遊び足りないスポット。機会があれば、是非足を運んでいただきたい。
アースアカデミー大場満郎冒険学校 〒999-6101 山形県最上郡最上町大字向町2135 TEL:0233-43-4563 FAX:0233-43-4564 ホームページ http://k.d.combzmail.jp/t/9bj0/60ipom003aed3ouf7c(文・浦上和雄) |
インタビュー目次
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